脳内リプレイ

その0


インターバル


オリジナル技能を使う特殊単発ミッションのつもりがまさかの終わらない事態である。
それぞれのバランスは良かったとは言え、回復面で不安が残るという弱点も露呈した。
(あとGMが敵のバランスをやっちまった疑惑、プレイヤー4人に対しレベル8モンスターかけら入り)
流石に4人のままでは辛かろうと判断し、理想人数である6人にしようと決めたGMであった。


GM:そんな訳で続きをする前にちょっと追加メンバーが合流しやすいようにぷちセッションをしたいと思います。
エリオット:それは経験点を貰えますか?(真剣)
GM:あなたは全員の中でも一番取得経験点が多いのに!?(笑)
エリオット:貰えるものは貰う、それだけです。‥そう言えば僕以外にも、もう一人増えるんですよね?
GM:はい、水妖メンバーに縁のある人達で構成しようとしたんですが、NPC枠で集めようとしてたんですけど‥あのメンバーに劣らない個性の強さが必要だと思いまして。
エリオット:個性の強さはサンくん達と負けてないですよね、あの4人。
GM:でね?  回復が足りないんですよ。何せメイン回復はクゾルのプライマリィヒーリングなんです、レーティングを振らない分安定してるけど、後の回復がエゼラの単体キュアなので。
エリオット:あと二人は薬品での回復手段しかないんですよね?  レンジャー持ちでしたし。
GM:うん、なのでエリオットも回復手段を持っているので助かりますよ。それではもう一人呼びましょうかね。
フェリレス:――やぁ、どうも。
エリオット:まさかの悪人!?(笑) 確かにあそこと関連はあるけど! てんちょってあんなに言ってたくせにこの変化球!  挙げ句この人に回復メイン!?
フェリレス:散々の言い様だね、まぁ悩んだみたいだけどね。どうするべきか。
GM:でもてんちょの種族どうしようと思って考えていたらダークトロールとかドワーフとかしか出て来なくてね‥(遠い目)
フェリレス:それでダンサーをさせようとしていたんだから色々とむごいよね‥(笑)
エリオット:同感ですね、精神的虐待です(きっぱり)
GM:そこまで?!  まぁ、欲しいのはマジックユーザーかと思いまして、けど技能被りは個人的に面白くないと思いまして。
フェリレス:で、前にもあったあの技能をね。
エリオット:前にもあった技能?
GM:ま、という所で紹介からいきましょうか。
エリオット:ではまず僕から行きましょうか、エリオット・エレハイム・カシュオーン。ドレイクの男性です、技能はコンジャラー5、ビーストテイマー5、プリースト4、セージ1です。
信仰はフェトル神。戦闘技能は魔法誘導・防具習熟A/非金属・マルチアクションです。自動習得のあやつる、いたわるもありますね。
今連れているのはグレイリンクスのエナ、女の子です。
フェリレス:ドレイクらしい技能だね、攻守出来るという意味では。
GM:元々はファイターでしたが、オリジナル技能縛りということもあってビーストテイマーにしていただきました。

ビーストテイマー
元ネタはFF11の獣使い。
動物や幻獣と心を通わせ、共に戦う戦士。


エリオット:バルバロスとして蛮族側にいましたが、が僕には生まれた時から魔剣を持たず、魔剣を持って生まれたもう一人の兄弟と比較される事もありました。
フェリレス:おや、兄弟がいるんだね。‥ということは気まぐれに生かされていた、と?
エリオット:えぇ、そうですね。殺せという意見もあったみたいですが僕がこうして生きているということは何かしらの理由があって‥なかったかもしれませんが、とにかく生かされた。上昇傾向はなかったんですが生き抜く為、頑張っていたら魔剣を持たない割には期待されるようになりまして、それが兄弟には気に入らなかったようです。元々プライドが高い種族ですから、死んだも同然であったはずのドレイクが上に気に入られているのが鼻についたのでしょうね。
GM:それでなくとも魔剣なしドレイクは貴族扱いなどされずゴブリン達よりも下級に扱われますからね。
エリオット:そこで運悪く敵対している勢力の間者と疑われてしまいまして、それを否定する材料も足りず結果裏切り者としての烙印を押されました。それで追放された訳です、狩られる者として。
フェリレス:処刑ではなく敢えて逃がされたと。狩りをさせる者達に狩られる為に。逃げ続けなくてはならないプレッシャーや絶望を与える生き地獄だね。
エリオット:逃げている最中、偶然ビーストテイマーを教えているエルキニクスに助けて頂きまして。エルキニクスが住んでいた森奥の家を譲ってもらい、今はそこに住んでいます。その時にビーストテイマーの技能も教えてもらいました。
フェリレス:エルキニクスって現在ダーレスブルグに店を構えている異大陸から来たゴブリンという種族だっけ。
GM:はい、こちらのゴブリンとは違い身体は小さくマスクを被っているのですが手先がとても器用で頭も良い種族です。傭兵家業をしていることが多く、敵にも味方にもなりますが自分の陣営が不利になると寝返るというドライな一面もあります。エルキニクスはゴブリンの中でも老人ですね。
フェリレス:誰も死にたくはないだろうからそういう意味じゃ正直だよね。
エリオット:確かにそうですね、種族で判断するよりは個人で判断した方がいいとエルキニクスにも言われましたよ。‥と僕はこんな所です。
フェリレス:じゃあ僕かな。フェリレス・エシェンタール、シルバーテイルの女性です。歳は85。
エリオット:オリジナル種族ですね、狐の種族ですよね?
フェリレス:そう、女性が多い種族なので今回は女性を選んだよ。男女共に美しい種族だから僕にぴったりだろう?

シルバーテイル
狐の獣人。男女共に見目が麗しく美しい。やや女性の方が生まれる頻度が高く、男性は見かけることは多くない。
好き嫌いがはっきりとしており、京言葉のような口調で話す。


エリオット:‥そういうことにしときましょう。
フェリレス:技能はソードメイジ5、ニールダのプリースト5、スカウト3、セージ2。戦闘特技は魔法拡大/数、魔力撃、剣魔合体、自動習得の剣魔召喚だよ。

ソードメイジ
剣魔と呼ばれる使い魔を使役し、操る術士。消費のコストは大きいが多彩なことが出来る。


エリオット:あれ、シルバーテイルって独自の信仰を持っていませんでした?
フェリレス:あぁ、僕は別に‥なんとも。
GM:ちょ、おま(笑)
フェリレス:今は集落を出た身だからって意味もあるけどね。ニールダにした理由はその教えが為になると思って感銘を受けたのさ。身に纏う物の美しさだけではなく自身も美しくなければならないというね。
GM:多分中身も美しくあれということだと思うんだがね(笑)
エリオット:シルバーテイルの名前って和名だと思ったんですが‥名前は変えない縛りのせいですか?
フェリレス:いや、それもあるんだけど。本来は和名だね。僕は自分の名前と思ってないけど。
エリオット:どういうことです?
フェリレス:深い意味はなく、ただ嫌いなんだよ。一応『ヤナギ・シユウ』と言う名はあるけど僕らしくないし、生まれた集落でしか知られていないから自分では絶対に名乗らないよ。
エリオット:あぁ、なるほど。その代わりに自分で考えた名前が今の名前なんですね。
フェリレス:そういうこと。あと娘を探してる。
エリオット:まさかの子持ち!?
フェリレス:いや、血は繋がっていないよ。何せクロリスのことだから。
エリオット:繋げてきた!? ‥でもミアキスでしたよね、彼女。
フェリレス:シルバーテイル自体はノアケットシー以外の猫系種族を嫌っている傾向があるからね。僕も初めは例に漏れずそういう傾向があったのさ、けどまだ小さいクロリスと出会ってからあまりの可愛さに意見を正反対に。共に暮らすにしても集落にミアキスを置くのはやめてくれと言われたから、スッパリと自分がいた集落からも離れてクロリスと生活をすることにしたんだけれど‥。
エリオット:けど?
フェリレス:あまりに可愛がりすぎて向こうが煩く思ったのかある日『ぼうけんしゃになります、さがさないでください』という下手な字で書かれた書き置きが‥‥。
エリオット:単なる家出じゃないですか、それ!!(笑)
フェリレス:それから慌てて探し始め、今に至ると。まだ見つかってません(笑)
GM:でしょうね(笑)
フェリレス:なので猫に嫌悪感はないよ。金毛の猫ならとりあえず近付いて確認しに行くしミアキスがいると聞いたらとりあえず会いに行く。早く娘に会いたい‥。
エリオット:で、あなた自身は自覚あるんですか? 親バカの。
フェリレス:可愛いから可愛がっていただけだからね、気付いてない(笑)

エイギア地方の奥でクロリスが悪寒を感じたとかいないとか。

GM:という訳でテラ訳ありドレイクのエリオットと、親バカシルバーテイルのフェリレスの二人があの4人と合流するきっかけまでをやりたいと思います。そんなに長くなるつもりはないですので。
エリオット:僕はまぁ大体推測出来るけど、彼女は?
フェリレス:一応ダーレスブルグにはいるよ、大きな都市だし探しきれないというのもあるけど。主に娘探しをしているけど簡単な依頼もやってる。
GM:絶対に会えないですけどね、今の状態じゃ。
フェリレス:そんなことはない、あの子が困って泣いていたらと思うと‥!
エリオット:泣きますかね、あの子。

「マテリアルカードが少なくて泣きそう」
by.クロリス


フェリレス:あ、GM。僕の変幻自在なんだけど、クロリスの姿に変えられる?
GM:うーん、あれって仲間が近くにいてこその技能と能力コピーじゃない? 現在のクロリスは勿論無理だし、出来てもフェリレスと暮らしてた頃のクロリスじゃないかな。
フェリレス:それでもいいよ。容姿は伝わるからね。
エリオット:スムーズすぎて気付きませんでしたが、シルバーテイルって方言喋りじゃなかったですか?
フェリレス:普段は抑えてるよ、でも余裕がなくなると戻るけどね。主には娘が理由で(笑)
エリオット:ですよねー。
GM:ではエリオットからいきましょうか。4人のセッションから2、3日後のある日、エルキニクスからの文書鳩が届きまして、『アヴレス団長殿がお前さんに会いたいと言っている、手の空いてる日にでも来てもらえんか』という手紙が来ます。
エリオット:早速来ましたね、特に忙しい訳ではありませんから畑の状態を確認したらエナを連れてダーレスブルグへ行きましょうか。鳩には『手紙を受け取りました、読み次第そちらへ向かいます』と書いて飛ばしましょう。勿論フードは深く被っていきますよ。
GM:道は熟知しているでしょうからダーレスブルグへは比較的安全に着くことが出来ました。
エリオット:日数はどれほどかかります?
GM:2日ほどですね。エリオットは既にパスを持っていますから、苦もなくダーレスブルグに入ることが出来ます。
フェリレス:そのパスって蛮族が主に持つものなんだっけ?
GM:そうですね、第3インセイレヴ騎士団のチェックを受け許可が出た蛮族に渡されるものです。
フェリレス:じゃあ僕はいらないね。
エリオット:まっすぐエルキニクスの店へ行きますよ、それ以外に用事もないですし。
GM:では人通りの少ない通りの一画におんぼろな雰囲気の建物が見えてきますよ。
エリオット:ああ、相変わらずの店構えですね。
フェリレス:廃墟じゃないの、そこ‥(汗)
エリオット:違いますよ、勘違いされがちですが‥ちゃんとお店です。今は修理屋も兼ねてるんですよね?
GM:えぇ、口コミでじわじわと来はじめているようです。
フェリレス:修理屋?
GM:エルキニクスがいた大陸にあった技術で、色とりどりの小さな結晶と修理したいもの、修理したいものに使う材料を使って合成するんです。修復しにくいものが壊れた時には重宝する技術なので、ちょいちょいお客さんが来ているとかで。
エリオット:お手伝いが必要な時は僕も応援に来ますよ。
フェリレス:え、出来るの?
エリオット:一人で暮らす為に教わりましたからね。このクリスタルクリエイターというのがそうです。
‥エルキニクスー? いますか?と声をかけながら入っていきますが。
GM:すると『おぉ、エリオットか。よく来たのぅ』と流暢な交易共通語で老人の声が狭い店の奥から聞こえてきます。
エリオット:あの、アヴレス団長が僕に会いたいというのは?
GM:『そうじゃ、どうやら話がしたいと言っておったぞ。話は通しておくから第3インセイレヴ騎士団兵舎に来てほしい、とな』
エリオット:はぁ‥? とりあえず行ってみましょうか、聞いてみないことには始まりませんしね。
GM:行きますか? 兵舎は比較的分かりやすいのですぐに到着しますね。入口には門兵が二人立っています。
エリオット:ではちょっとドキドキしながら門兵に声を掛けます。あのすみません。
GM/門兵:『はい、なんでしょうか』
エリオット:第3インセイレヴ騎士団、アヴレス団長から呼ばれて来たエリオットと言います。今、団長はいらっしゃいますか?
GM:エリオットと聞いて門兵の表情が変わりますね。『伺っています、こちらへどうぞ』と通してくれます。声を掛けた門兵が先導して案内してくれるようです。
エリオット:当然ですが入る機会がないのでついキョロキョロしてしまいますね(笑)
GM:質素な雰囲気はありますね、あと室内にいる騎士団員からもチラチラ見られていますが(笑)
エリオット:ハッ!? 更にフードを深く被ります(引っ張っているらしい)
フェリレス:それ更に目立つだけじゃないのかな。
GM:『こちらの部屋で少々お待ち頂けますか?』と案内されたのは同じ階層にある客間です。中には1対のソファー、ローテーブル、キャビネットなど一通りの家具が並んでいます。
エリオット:あ、はい。口には出さないけどちょっと怖い。口には出さないけど!
GM:『只今アヴレス団長を連れて参ります、では』と一礼して門兵さんが出ていきました。
エリオット:これで部屋の中から神経毒が突然ブシュー!と噴射されたら怖い‥。
フェリレス:え、流石にそんなことしないだろ?(笑)
GM:しませんよ!(笑)一応ダーレスブルグの騎士団ですよ? そんなの完全に闇の組織じゃないですか!
エリオット:いやー‥僕が実際にそういう経験をバルバロス時代にされたものでして、つい思い出しちゃうんですよねー。
フェリレス:単なるトラウマじゃないか(笑)
GM:そういうこともなく、暫くしてからノックが聞こえてきます。『失礼するよ』若い男の声です。
エリオット:アヴレス団長でしょうか。はい、どうぞ。と返事をしましょう。
GM:返事を聞いてから中に入って来たのはまさしく第3インセイレヴ騎士団の団長である、アヴレス・ルアロンその人です。貴族の一角でもあるルアロン家の当主でもあります。
フェリレス:種族は人間?
GM:いえナイトメアですね。元々は人間の家系だったと思いますが、不安なので後で確認します。

人間の家系ではありますが、家を継ぐ候補は何故かナイトメアとして生まれやすいという不思議な家系でした。

エリオット:早速なんですが、僕に話とは?
GM:アヴレス団長はエリオットの反対側のソファーに腰を降ろしてから『すぐ話にしちゃう?‥まぁ、いいんだけどな』と相変わらずの笑顔ですね。『では話をしようか。話と言うか、君に聞きたいことがあってね』
エリオット:聞きたいこと? 僕に?
GM/アヴレス:『あぁ、2、3日前に俺の家の領地内で見つかった遺跡を調査してもらったんだがな。そこでドレイク率いる蛮族のグループと接触したようなんだ』
エリオット:遺跡内で‥ですか?
GM:『あぁ、一戦交えたみたいだが向こうは引いたらしい。君は元々蛮族側にいた身だ、マグノリアというドレイクに聞き覚えはあるか?』
エリオット:マグノリア? GM、どうなんですか?
GM:めっちゃ聞き覚えあるよ、君のお姉さんです。
エリオット:姉さんだった!
フェリレス:具体的にどういうバルバロスなのさ。
GM:典型的なドレイクの性格をしたプライドの高い、ドレイクとしての誇りも高いバルバロスですね。己の一部である魔剣を持たないドレイクなどは認めない一面は強くあります。その為、エリオットが魔剣を持たずして生まれた際に生かすという選択肢を一番反対した者でもありますね。
フェリレス:あー、じゃあ元から存在が気に入らないんだ。
GM:そうですね、挙げ句に間者として疑惑を持たれた際にも追放ではなく、その場で処刑するべきだと強く言っていました。エリオットは実際に刃を向けられたこともあるでしょうね。
エリオット:あ、では片方の折られている角を姉のマグノリアに折られたことにしていいですか? 追放の際に。
GM:いいですよ、元から気に入らないのもありますが魔剣がない癖に周囲に認められつつあったのも彼女の怒りに拍車をかけた理由の一つだったようです。
エリオット:おかしいなぁ、ただ生きていく為に必要だっただけなんですけど。
フェリレス:仕方ないだろうね、向こうは初めから友好度マイナスから始まってるし。嫉妬は女性なら特有の感情だろう。
エリオット:ドレイクの僕はあまり争いたくはないんでしょうけど、中の人的にはそういうプライドの高い女は自分を形成し支えているものを全て粉々にぶち壊して絶望しきって殺してくれと懇願しても殺さないようにします(にっこり)
フェリレス:完全に猫被ってるけど本来の君、僕らと負けていないレベルだよ?
エリオット:やだな、腹黒いのは自覚してますよー。
GM:軽いノリで怖いこと言うておる(笑)
エリオット:では話を戻して、マグノリアは僕の姉に当たる人です‥と間を置いて言いましょう。恐らくは僕を狩る為に動いているのだと思います。
GM:『そうか、君なら知っているかと思っていたが‥まさか血縁者とは』とアヴレス団長も考えている様子です。
エリオット:彼女は元から僕のことを嫌っていたようですから。‥今まで彼女が動いていなかったかもしれないという事に驚いてますけど。
フェリレス:動いていたけど把握出来なかったって可能性もありそうだね。
エリオット:それは十分にあるでしょうね。
GM:『いっそのこと、ダーレスブルグに移り住むという選択肢はないのかい?君はもうパスも所持しているし、その方がいざという時に安全だろうに』とアヴレスが言ってくれますが。
エリオット:そのように言ってくれるのは有り難いのですが、人族の住む街にいて襲撃を受ける可能性があると分かっているからこそ、それが嫌だから離れた場所にいるのです。自分の身の安全を取ったばかりに戦えない他の者を危険に晒すことはしたくはありません。
フェリレス:うわー、さっきマグノリアに対して同じことを言った人とは思えないね(笑)
エリオット:うるさいですよ(笑)
GM:『しかしさっきのように情報提供をしてくれたじゃないか、沈黙を守ることも出来ただろうに』
エリオット:それは‥まぁ、そうですね。マグノリアがあなた方の脅威の一部になるのは確かですから、知っていた方がいいと判断しただけです。
GM:『そうか、それは感謝するよ。蛮族の情報はないよりはある方がやはり違うしな。ありがとう、聞きたいのは今の所これだけだ。もう一つはお願い事なんだけども』とぽりぽり。
フェリレス:君には捕虜になってもらいたい。
エリオット:断る! ていうかそれお願い事ですか?!(笑)
GM:あんたらアヴレス団長をなんだと思ってるの!(笑)
フェリレス:だって、怪しくない? この人(笑)
エリオット:まぁ、確かに一個人的な感情だけで動いていないのは間違いないでしょうけど‥国の事も含めて得になる手段を選んではいるんじゃないでしょうか。腹黒いものは感じませんね(笑)
フェリレス:流石腹黒のプロが言うと違うね(笑)
GM:そうじゃないです(笑) 『良ければなんだが‥さっきの遺跡の再調査を予定しているんだ、その調査メンバーに加わってもらえないだろうか?』
エリオット:再調査ということは前に調査していた者達がいた訳ですよね? その方達は?
GM:『勿論いるよ、ただ組んで間もないパーティな上に遺跡にいたゴーレムが予想以上に手強い相手だったようでね』
エリオット:その詳細って分かります?
GM:分かりますよ、ドラゴニアガーディアンという特殊なゴーレムでして竜の牙から作られているものだそうです。ちなみにレベルは8。
フェリレス:は‥?! メンバーって確か4人じゃなかった?(汗)
エリオット:うん、レベル5が3人、レベル4が1人でしたかね。
フェリレス:鬼畜‥! 鬼畜の所業だよ!
GM:私だって反省してますよ! ちょっとやりすぎたかな? って!(笑)『相手も半分ほどまでは追い詰めたみたいなんだが彼等にも犠牲が出てしまってね‥倒し切ってはいない状態だから再度戦う時にどのような状態で復活するかも分からないし』
エリオット:だから手伝いが欲しい、と。
GM:そういうことになります。
エリオット:別に僕自体は良いんですけど‥何故、僕なんですか? ダーレスブルグにだって冒険者はたくさんいる、そこから募集をかけることだって出来るはずです。
GM:エリオットの言葉にアヴレス団長は更ににこやかな笑顔を向けてます。『それならもう募集中だよ』と。
エリオット:もうやってたのか。
GM:けれど条件が狭いので来たらいいなー、という感じのようです。
エリオット:まぁ、そうですよね。
GM:それで何故エリオットさんかという質問ですが、蛮族はやはり人族の生活に馴染みにくい訳ですよ。その中でも名誉人族として認められている蛮族もいます。
エリオット:えぇ、人族も蛮族社会の中で名誉蛮族として存在するようにですね。
GM:そうです、そしてエリオットも少しずつ馴染もうとしていますよね。そういう気持ちはアヴレスにも分かるのですよ、自分もナイトメアですし。
エリオット:あぁ、なるほど。ナイトメアも迫害される種族ですからね。
フェリレス:‥つまり、人族の役に立つ事で周りに信頼してもらえるよう、協力してくれている訳か。
GM:ま、そういうことです。結果を見せないと信用はされませんからね。遠回しですがマグノリアの情報提供のお礼と思ってください。
エリオット:それは‥蛮族社会しか知らない僕からすると有り難い申し出かな‥。
GM:一応、こちらからの協力要請なので報酬は出しますよ。3000ガメルを予定しています。
エリオット:予定しています‥とは?
GM:そこはパーティ全体の依頼成功度に比例するという感じです。
エリオット:ああ、その基礎報酬が3000ガメルなんですね。分かりました。


親バカお母さんのターン


GM:それではフェリレスにシーンを変えましょう。お待たせしました。
フェリレス:いや、状況を知れたから構わないよ。それで僕は今のどの辺りに?
GM:ダーレスブルグにいて欲しいのでそこは確定ですが、時間はお昼を過ぎて宿なんかも落ち着いた辺りでしょうか。街の中ならどこに居てもいいですよ。
フェリレス:そうなの?  じゃあ外で聞き込みしてようかな、娘の(笑)
エリオット:ぶれませんねぇ(笑)
フェリレス:当然だよ、まだ来て間もないだろうし‥幼い頃の娘の姿に変わって情報を集めるよ。そうだな、近くの宿にある店から聞いていこうかな。(ドアを開ける仕草)すまない、一つ尋ねたいんだけど。
GM:はい、では雑貨屋さんにしましょうか。店の主人さんらしきおじさんが出てきます。『いらっしゃいませ、何か入り用ですか?』
フェリレス:いや、実は人を探していてね。情報を集めているんだ。
GM:『人探しですか‥どんな方ですかね?』
フェリレス:冒険者をしているミアキスの女の子なんだが‥とここで幼い娘に姿を変えよう。こんな感じの外見で、現在はもう少し成長しているはずだ。
GM:『うーん、そんな愛らしい子なら見覚えがあると思うけど‥いや、私は見てないなぁ』とのこと。しかし従業員を雇っているのでそっちにも聞いてみるよ、と言ってくれます。
フェリレス:ありがとう、では日を改めて来るよ。一礼してから店を出よう。ふー‥やはりすぐには見つからないものだね。
エリオット:街に来る度にそうやって聞き込みしてるんですか?
フェリレス:もちろん、当然だよ。
GM:ちなみに元々住んでいたのはどの辺りを考えてますか?
フェリレス:んー、北に上がってきたつもりでいるからザルツの中心付近ってところかな。細かくはまだ決めてない。
GM:了解です。フェリレスは一応ルキスラでそれらしい子が北に向かったようだ、という確実ではないですがやっと掴んだ情報を得てここまでやってきました。
フェリレス:その情報だけでも行ってみる価値はある、娘はぼんやりしててか弱いんだ!
エリオット:お宅の娘さんパーティ内で回避ぶっちぎりですけどね(笑)
フェリレス:そんな事は知らないから不安で仕方がないんだよ(笑)
GM:聞き込みはどのくらいまでします?
フェリレス:暗くなる前までかな、近接技能がある訳でもないし悪漢に囲まれたらどうこう出来ないからね。
GM:確かにシルバーテイルは目立ちますから、夜になってからの女性一人での行動は控えた方がいいに越したことはないかもしれないですね。
フェリレス:どうだろう、今日の聞き込みの成果は?比較的冒険者が行きそうなお店を回ったつもりなんだけど。
GM:残念ながら本日は重要な証言は得られませんでした。しかし他の従業員がいるお店では聞いておきますよ、と言ってくれることが多かったですね。
フェリレス:そっか、それは助かるな。では宿に戻ろうかな。一応これから簡単な仕事が受けられるように冒険者用の宿を選んだけど。
エリオット:お互い今のところソロですからねぇ、僕は自給自足ですからあまりガメルは使いませんけども。
フェリレス:いざとなれば給仕してもいいけどね。その方が気楽そうだし。
GM:フェリレスがそれでいいならそれでもいいですよ。
フェリレス:じゃあそれで。でも人探しメインだから手伝えるのは夜になる、でもいいのかな。
GM:それは納得してくれたことにしましょうか、フェリレスの実力ならパーティに是非、と思う人もいるだろうにとは言われてるでしょうね。
フェリレス:まぁ、臨時でいいなら考えなくはないけどね。パーティ単位なら報酬も多く稼げるし。でもずっとって言うのはちょっと。
GM:そんなこんなでフェリレスの泊まっている宿へ戻ってきますと、ここのおかみさんですね。が「あ、ちょっとちょっと!」と声を掛けて来ますよ。
フェリレス:? なんだろう、行ってみるよ。どうしたんだい、おかみさん。
GM:『さっきね、騎士団の人がくれたんだけど――』と手にしているのは一枚の貼り紙ですね。
フェリレス:貼り紙?
GM:『これ、条件あんたにぴったりじゃないかい?』と貼り紙を見せてくれますよ。
エリオット:おぉ、きた(笑)
フェリレス:どれどれ‥なんて書いてあるのかな?
GM:遺跡探索の協力者を求める貼り紙ですね。条件は癒し手であること。自分の身を守れること。腕に自信があること。『他の宿にも同じ貼り紙を渡しているらしくねぇ、あたしから見て合いそうな人がいたら紹介やってくれないかって』
フェリレス:それで‥僕を?
GM:『あぁ、お前さん一人で動いてるし娘さんを探すのにやっぱりお金はいるだろう?』とおかみさんもにっこりしてます。
フェリレス:ありがとう、それじゃ手伝いを終えてから行ってみるよ。
GM:おかみさんは首を横に振ってますよ。『いやいや、すぐに行っておいでよ。あんたのライバルはたくさんいるだろうからさ』
フェリレス:‥いや、でも店の手伝いも仕事だろう。
GM:『そう思ってくれるならこのお仕事をゲットしてから戻ってきておくれ、それまでは何とかするから』
フェリレス:そうかい? じゃあお言葉に甘えてそうさせてもらおうかな。えーとどこの騎士団に行けばいい?
GM:第3インセイレヴ騎士団が担当しているようですね。
フェリレス:よし、なら行こうか。第3インセイレヴ騎士団へ。
GM:第3インセイレヴ騎士団までの道のりはおかみさんが教えてくれました、なのであまり迷わず行けましたよ。
フェリレス:そうだよね、僕はダーレスブルグに来てさほど経ってないだろうし。用事がない限りは行かない場所だろうから。
エリオット:その宿の名前はなんて言うんです?あの4人組と同じ宿?
GM:いや、確かあっちの宿は主人が男性だったはずだから違うね。フェリレスみたいなおねーさんがいたら確実にテンションが跳ね上がる奴がいるし。‥んー、『黒絹の玩兎亭』という事で。
フェリレス:看板が確実にウサギ印になったね(笑)
エリオット:布を巻いたウサギって所ですかね。
GM:フェリレスの宿の看板が決まったところで第3インセイレヴ騎士団施設の前です(女性一人だから‥)丁度到着した辺りで門兵の一人が声を掛けてきますよ。『ご婦人がお一人でどうかなさいましたか?』
フェリレス:そちらで配られていた貼り紙を見て来たのだけど。
GM:『なるほど。ではこちらへご案内します』そう言って通してくれますよ。
フェリレス:そういえば僕以外の人は来てるんだろうか。
エリオット:残り一枠をかけて争うんですね、わくわく。
フェリレス:いやそうではなく、基本早い者勝ちでいいんじゃないかと思うんだけどね。おかみさんの好意は無駄にしたくはないから、こうして動いているし出来れば滞在費を稼ぎたいけど。
GM:(‥ツンデレ? クーデレ?)門兵に聞きます?
フェリレス:そうだね、一応聞いておこうか。
GM:『あぁ、あなたで2人目でしたかね。でも‥どう見ても癒し手には見えない方でしたが』とのこと。
フェリレス:貼り紙に条件書いてあったのに癒し手じゃないのが来たわけ?
GM:せっかちさんがいて何か人を募集してる! それいけー! というパターンのようです。そもそも条件が厳しいので10人来ればいいんじゃないか、と門兵さんも思ってるようですね。
エリオット:1枠は僕ですからね、‥僕がもし断ってたら2枠になったということですか?
GM:そうなりますね。受付の前に着きまして門兵さんから『まだお時間はありますか?』と聞かれますけども。
フェリレス:あまり遅くなるのは困るけど、30分くらいなら大丈夫かな。
GM:『そんなに時間はかかりませんよ。では――』と羊皮紙とペンを持って『お名前などを簡単に聞かせて頂けますか』
エリオット:‥これって面接?(笑)
フェリレス:その前の面接予約みたいな予感がする(笑)
GM:ぶっちゃけそうですね(笑) 聞かれることは名前、種族、技能、来た理由、くらいです。
フェリレス:あれ、意外と少ないね。嘘をつく必要はないから来た理由も含め素直に言うよ。
エリオット:あなたの名前は‥‥(口を押さえられた)
フェリレス:これが僕の本名、いいね?
エリオット:お、おう(圧倒されたらしい)
GM:全てメモを終えて『そうですか‥娘さんを探してらっしゃるんですね、手がかりの方は?』と心配そうに聞かれますが。
フェリレス:いや、まだ手がかりらしいものは一つも。冒険者になったみたいだからそれらしい店には優先的に足を運ぶつもりなんだけれど。
GM:『ダーレスブルグに慣れていらっしゃらないようなら、宿のリストなどご用意しましょうか?』
フェリレス:有難いけど‥いいのかな、宿リストなんて手間かかりそうだけど。
エリオット:‥ああ、そうか。入口のチェックの際に聞かれる事もあるんですかね?
GM:そうです、なので他の騎士団よりは店系には強いですね。
フェリレス:そういうことなら遠慮なく頂くよ。あ、娘の外見特徴も見てもらっていいかな?

門兵さんはクロリスの幼い姿に覚えはなかった様子。他の騎士団員にも聞いてみます、という約束をし、明日もう一度来て下さいと言われて帰るフェリレス。
少しでも情報を得られるかもしれないと嬉しそうでした。
うーん、でもすぐに出すのはやめよう。




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