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忍田さんと付き合いはじめて早2週間。
相変わらず忍田さんの溺愛ぶりは健在で。
「あ、あの……忍田さん! そろそろお仕事……っ」
「んー……もう少し……」
「あっ」
何かと家に連れ込まれ、エッチする毎日。
幸せなのはいいのだけれど、いい加減腰が痛いです……。
「私も今日は講義が……!」
「講義……? じゃあ、仕方ないかぁ……」
服の下からもぞもぞと動いていた手が名残惜しそうに出ていき、整えてくれた。
「忍田さんがこんなに絶倫なんて知りませんでした……」
「あはは、昔はついてけないって言われたよ」
「自慢なんですか、それ……」
「ん……。俺、好きになると止まらない性質なんだよね……」
「迷惑なのでやめてもらっていいですか」
「手厳しいね」
支度を整えた忍田さんは、いつものように私にコーヒーの催促をしてそれを飲み干す。
「ホントに幸せだよ、こんな風に毎日結ちゃんのコーヒーが飲めるなんて」
「はいはい……」
「あ、講義あるんだっけ。送ってくよ」
「え? だ、大丈夫ですよ、そんな!」
「遠慮しなくていいって。蒼明大学だろ? あそこは母校だから場所知ってるし、通勤の途中にあるし」
「えぇ……」
忍田さんと歩いていたら嫌でも目立つから、避けたい。
けれども、折れてくれないことは理解している。
「わかりました……」
いつも私が折れるしかない……。
「そういえば、結ちゃんの友達もいるの?」
「あ、絢未ですか? はい、今日はいるかと……。でも、なんでですか?」
「ん? ちょっと会ってみたいなって思っただけだよ」
「そうですか……」
「あれ、もしかしてヤキモチ?」
くすり、と笑った忍田さん、私はそれを軽く受け流す。
「違います」
「そっか、ちょっと残念。じゃ、行こっか」