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 ん〜いまいちな集中力だったかなぁ……。
 研究室行くの、やめよっかな……中途半端な気持ちでやって下手なことしたら大変だし。


「あ! 梶田君!」

「お、おう……」


 遠くで見つけた梶田君の元に駆け寄ると、梶田君は少し距離を置いた。
 どうしたんだろう?


「梶田君? どうしたの?」

「えっ? あ、いや……その〜……」

「ん? なになに? なんなの?」

「あー……いや。なんでもない。今日は研究室行くのか?」

「あーどうしよう……。いまいち集中できないから今日はやめておこうかなぁと思ったんだけど……やっぱり行こっかな」

「そっか。じゃあ、俺も行くかな」


 そう言って歩き出した──のはいいものの、いつもよりやはり距離が遠い。
 なんだか──避けられている……?


「梶田君? もしかして、避けてる?」

「えっ?」

「ほら、いつもより遠いというか……ちょっとよそよそしいよ?」

「べ、別に、普通だって。気のせいだろ」

「そ、そう?」


 けれども、やっぱり遠いんですが……。


「まあ、いいか……」


 本人がそう言うのであればそれ以上追及しないほうがいい。
 深掘りしたところで得することはない。


「そういえば、立花さんがよろしくって言ってたよ」

「え? あ、ああ……そうか……」


 梶田君は苦虫を噛み潰したような顔で曖昧な返事をする。
 そういえば、昨日も急に帰ったりしたし……調子でも悪いのだろうか。


「梶田君、もしかして体調よくないの?」

「いや……そんなんじゃない。ただ……何かさ、俺、立花さん苦手で……」

「そ、そう? 立花さん、誰にでも優しい人だよ?」

「そ、そりゃそうかもしんないけど……俺はいまいち……」

「ふーん……。そういうこともあるんだねぇ」

「そ、得手不得手みたいなもん」

「そっか」


 確かに、生理的に無理だとかどことなく苦手だとか、根拠のない感覚はある。
 人間の本能っておもしろい。


「でも、昨日はありがとう。暇しなくて済んだし」

「そうか……。俺はなんか巻き込まれて事故った感じだけど……」

「えー何それー? ひどくない?」

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