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「男って勘違いしやすいからね。気をつけてよ」

「はい、気をつけます」


 思わず口に出た言葉一つだけでそんな風に捉えられちゃうのかな……。
 難しいなぁ……。



「カフェラテ、美味しかったです。ごちそうさまでした」

「お粗末さまでした。じゃあ、駅まで送るよ」

「すみません、ありがとうございます……」


 立花さんの車で送ってもらうこと10分ほどして駅に到着した。


「送ってもらっちゃって、ありがとうございました」

「いいよ。あ、そうだ。梶田君にもよろしくね」

「はい、ありがとうございます」

「梶田君とは仲がいいの?」

「えっ? あ……そうですね……。似てるところもあって、同じ研究室の中では仲がいいかなって……」

「ふーん……そうなんだ。ごめんね、何か変なこと訊いちゃったね。気にしないで」

「は、はあ……」


 なんで急に梶田君のことを訊ねたのか分からないけれど、まあ、気にしないでと言われたら忘れた方がいいだろう。


「じゃあ、気をつけて帰ってね」

「ありがとうござい──」


 お礼を言おうとしたところ、立花さんに腕を掴まれて驚いたところで──立花さんの顔が一気に接近してきたことに息が止まりそうになり──気がつけば立花さんの唇が私の唇に重なっていた……。
 ──え……?


「立花さ──」

「今日は本当にありがとう」


 それ以上、追及できる余地はなく、私は車の外に放り出された──自発的に降りたのだけれど──。
 それから思考停止して、私はなんとなく電車に乗って帰宅した。

 あのキスはなんだったんだろう。
 唇にはまだ立花さんの温もりも感触も残っていて、頭の中は立花さんとそのキスのことで頭がいっぱいでぎゅっと胸が締まった。

To be continued...


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