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──で……考えた挙句に出た結果と言えば……。
「最近で言えば……恥ずかしい人? だなって思ってます」
「恥ずかしい人?」
「忍田さん、すっごいストレートに褒めてくれたり、その……ストレートに恥ずかしいこと言ってきたりして……」
「ぶはっ! あ〜なるほどねぇ〜! へぇ〜!」
「吹き出して笑うな!」
「そりゃあ確かに恥ずかしいわ! ひぃいいいぃっ、腹いった!」
「結ちゃんもこんなやつにバラさないでよ……」
「え? あ……ごめんなさい……」
「いやいや、おかげで久しぶりに大笑いしたわ。ありがとう、結ちゃん」
「は、はぁ……」
「いや、意味が判らないから」
楽しく? 談笑していた時間があっという間に終わり、私の部屋に到着した。
「じゃあ、おやすみなさい。おかげで楽しかったです」
「そう? 寂しくなったら言ってね、またコイツ呼ぶから」
「ホントですか? ありがとうございます」
「次こそはいい評価もらえるといいな、俊介」
「うるさい。もし、寝てるときにうるさかったら言ってね。ホントにコイツ、酔うと面倒だから」
「あはは、わかりました」
「じゃあおやすみ〜結ちゃん!」
別れて玄関に入ると一つ息を吐く。
靴を脱ぎ捨ててベッドに倒れ込むと、あのときの恐怖が蘇ってきて寒気がする……。
「はぁ……嫌なこと思い出しちゃったなぁ……」
どうして、男の人ってああなんだろう……。
忍田さんは──そんな人じゃないのに……。
忍田さんと麻痺しそうになる。
忍田さんといて確かに楽しいはずなのに、なのに距離がある気がして……。
距離を作っているのは忍田さん? それとも、私が無意識に作ってしまっているからなのか……。
「お風呂入って寝よ……」
もう恋愛は嫌……男の人なんて……ただ怖いだけ……。
でも、忍田さんはいつも優しく笑ってくれていて……私はその笑顔に心なしか癒されていて、救われている……。