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「ん……」
「おはよ、絢未」
目を覚ました瞬間、既に顔が近くにあった立花さんにキスをされて一瞬で目が冴える。
「ちょ、ちょっと立花さん……」
「はは、不意打ち。真っ赤だよ?」
「うぅ……」
目を開けば立花さんと同じベッドにいる……一体、何度経験したことだろうか。
「いい朝だよ」
カーテンを開けると、突き抜けるような青い空が広がっていた。
雲も一つもなく、気持ちいい朝が出迎えてくれている。
「そうですね……」
「こんなときは外に出たいね」
「いいですね」
「その前に、朝食食べちゃおうか」
「はい」
ベッドから抜け出して着替えを済ませると、立花さんは既に朝食の準備を始めていた。
「私も手伝います」
「ああ、大丈夫だよ。昨日、美味しいもの食べさせてもらったし、今日は俺の番だから」
「そ、そうですか? じゃあ、待ちます」
大人しく席に着いて、立花さんが料理する姿を見てひたすらに待った。
こんな光景も何度も見てきたはずなのに、料理する立花さんは生き生きしていてかっこよく、どんな料理が出てくるのかとワクワクする。
「はい、どうぞ」
「あ……パンケーキ!」
「そ、たまにはね。おかずパンケーキとスイーツのパンケーキ」
「美味しそうですね! しかも、けっこうふわふわしてて……」
「でしょ? 知り合いにパンケーキ屋やってる人がいて、教わったんだよね」
「へぇ〜っ、いただきます!」
まずはおかずパンケーキからいただく。
パンケーキの上にはツナときゅうりを和えたものが乗っていて、それと一緒に食べる。
「美味しいですね! ツナときゅうりにオリーブかかってるんですか?」
「うん、そう。ツナにはオリーブが合うし、どうかなって思ったんだけど……よかった、気に入ってもらえて」
「はい、すごく美味しいです!」
あっという間におかずパンケーキを平らげると、次はスイーツとしてのパンケーキをいただく。
たっぷりの生クリームが間に、そして上にもあって、いちごやいちごソースがかけられている。
「ん〜! これも美味しいです、おまけにすごくかわいい!」
「でしょ? 絢未の好きなものをふんだんに使ってみたよ」
「ありがとうございます!」