01興奮の差す雑音

 誰もいない、空き教室で行う情事は男を高揚させる……。


「あっ……あんん……っ、あっあっあっ」

「しー、だろ。三日月。気づかれちゃうだろ……」


 今日も、好きでもない女を組み敷いてあんあん喘がせる──。


──「やんっ、あ! 成瀬、君……っっ」


 そんな中で聴こえるのは、俺の胸を掻き毟るノイズ……。


 何だってんだ。
 俺は……俺は……未だにあの女性のことを想っているというのか。


「あっ! 凌、くっ……も、ダメ……っ、イキたいよぉ……っっ」

「あ? ダメだ……我慢しろ」


 俺の気も知らないで、何がイキたいだ。
 イキたいなら俺を満足させてからにしろ……。


「あ、ごめんなさい……っ」


 三日月は俺の息子を取り出して、愛で始める。
 やっとご奉仕か……彼女になったんなら、さっさと段取りを覚えろ。
 棄てられたくないなら。
 今の俺はかつての俺よりは優しくなんかない……本来ならば、もうお前なんかいらない。
 ただ、誰かを抱いていなけりゃ、また思い浮かべてしまうんだ……あの女性を。


「んむ……! んん……!」

「よし……イカせてやるよ」

「あっ、……ああぁぁぁあぁぁっ!」


 せいぜい棄てられないよう、腰を振り続ければいい……。

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