初めまして 4/4
「お前、思ったより素直だな。」
『思ったより、って。』
「皐月麗南だろ?俺は中原中也だ。今日からお前の上司になる。」
彼は足を組み直してそう言った。
『じゃあ、貴方が私を…?』
「何も理解してないって顔だな。ま、簡単な話、お前のその銃の腕を買ったんだよ。」
『いや、私なんて全然…!』
確かに銃の扱いには自信がある。
パルクールも出来るし、身軽な方だと思う。
けれど、体力、筋力には自信がない。
私は情報に疎いけれど、彼の事は聞いたことがある。
中原中也といえば、マフィアきっての体術使いだ。
私なんかがついていけるとは思わない。
「お前にはこれから、基本的には俺の援護に回って貰う。」
『私なんかでいいんでしょうか。』
「俺の目が腐ってるとでも言いてぇのか?」
『い、いえ!そんなことは!えと、が、頑張ります。』
この人は怒ると怖い人だ、きっと。
そう確信した。
目が怖くて、私は肯定することしか出来なかったのだ。
しかし、出会い頭に色々と失礼を働いたにも関わらず、それは流してくれるらしい。
案外仲良く付き合えばいい人なのかも知れない。
「で、早速だか、これから俺と任務に当たって貰う。つっても、そんなに時間はかからない。そんなにでかい任務じゃないしな。」
『は、はい!了解です!』
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