ロング | ナノ



Act.5 *あたしに出来るコト*





サソリ達に連れて、薄暗い廊下を長々と歩いて行く。



『さっきも思ったんだけど、随分広いんだね???』

デイダラ「そーか???」

『うん。そして暗いよね…。』

デイダラ「もしかして、リク怖いのか???うん???」

『そ、そんな事ないよ!!!全然っっ!!!うん!!!』

デイダラ「オイラの口癖うつってるぞ???うん。」

『あ、あはは///。』

デイダラ「……。(怖いんだな、うん。)」



そんな他愛の無い話をしていたら、サソリの歩みが止まった。



サソリ「おい、着いたぞ。」

『…ここ???』

サソリ「ああ。…入れ。」



サソリはドアを開けると、部屋に入るように促した。

リクはおずおずと部屋の中に入った。

内装は白を基調としたシンプルなものだった。

広さも1人部屋にしては充分過ぎる大きさだ。



『1人部屋にしては広いんだね。』

デイダラ「そーか???うん???」

サソリ「家具とか無いから、そう感じるんじゃねェの????」

『そうなのかな???』

デイダラ「徐々に家具とかも集めねーとな???うん。」

『家具も欲しいんだけど、まずは服が欲しいかな。』

サソリ「そーいや、マントの中は裸なんだったな。」

『…うん///。』



リクは恥ずかしそうにコクンと頷いた。



デイダラ「じゃあ、明日は買い出しだな。うん。」

サソリ「ククク、オレとしては裸でも構わねェんだがな???」

『え///!???』

デイダラ「旦那ー、リクが反応に困ってんだろ???うん!!」

サソリ「…フン。」

デイダラ「今日はもう寝ろよ。今後の事は明日話そーぜ???うん。」

『うん、分かった。』

デイダラ「両隣がオレ達の部屋だから。何かあったら来いよ???うん。」

『ありがとう。』

デイダラ「じゃーなァ!!!」

『デイダラ、サソリ!!!おやすみなさい。』

サソリ「…ああ。」

デイダラ「おやすみ!!!うん!!!」



―パタン!!!



2人が居なくなると、部屋の中が静けさに包まれた。



『……。』



自分が住んでいたアパートよりも遥かに広い部屋。

あたしの住んでいた部屋が狭過ぎたのかもしれないけど…。

でも、それにしても広いと思う。

広い部屋に1人で居ると、孤独感に包まれて泣きたくなってくる…。

こんな事で不安になってちゃダメだ。

今までだって、何度もあったでしょ???

あたしなら大丈夫。

きっと、異世界の中にいるから情緒不安定になってるんだよね???

うん。



リクは首をぶんぶんと振った。



『考えたって無駄だ!!!よし、寝よう!!!』



リクはマントを脱ぎ、畳むと枕元に置いた。

裸で居るのはやっぱり抵抗があるけど…



『シワが付いたら悪いもんね〜。』



リクはベッドに入るときつく目を綴じた。

いろんな事が一気に起こって疲れていたのか、いつの間にか眠りに落ちていた。





**********





『んぅ〜…。』



窓から射し込む光と可愛いらしい鳥の囀りでリクは目を覚ました。

見慣れない部屋と枕元にあるマントを見て再確認した。



『…夢じゃないんだよね。』



リクは重い瞼をこすり、伸びをするとマントを着た。



『さーて、これからどうしようかな…???』



自分の家なら、洗濯物だとか朝御飯の準備だとか色々やる事があるんだけど…。

ここは暁のアジトだしな〜。



『う〜ん…。』



…そーいえば、暁では誰が料理とか洗濯物をやってるんだろう???

男所帯だし、色々大変だろうな。



『…そーだ!!!家事をやらせてもらおう!!!!』



何もせずに置いてもらうのなんて絶対に嫌だし、

自分で出来る事は進んでやらなくちゃ!!!

思い立ったら即行動!!!



『よーし!!!早速、朝御飯の準備だ♪』



勢い良く部屋を出て、リビングに向かう。

確か、リビングまでは一方通行だったはず…。



リクはやる気満々でリビングへと足を進めた。




2011.4/24






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