Act. 11 *温もり*
何か落ち着く・・・。
温かくて、
安らぐ感じ・・・。
あたしはその温かいモノにギュウっと抱き着いた。
ん〜・・・
温かい〜。
『んぅ・・・。』
あたしはうっすらと目を開けた。
ボヤけた視界に映るのは綺麗な金色。
・・・金色???
『・・・えっっ////!???』
頭の中が一気に覚醒する。
目の前の綺麗な金髪・・・
体に伝わる心地良い温度・・・
あたしが抱き着いてたのは・・・
『・・・デイダラ/////!????』
あたしの隣でスースーと気持ち良さそうに眠るデイダラ。
え////!???
な、何で一緒に寝てるの////!????
あたしはそっとデイダラから体を離すと周りを見回した。
ピンクのカーテンにくまのぬいぐるみ・・・。
それらを見て自分の部屋だと言う事を確認した。
デイダラが何であたしの部屋に???
しかも二人でベット・・・////。
思考を何とか落ち着かせようと小さく深呼吸する。
落ち着け・・・、
落ち着くのよ、あたし・・・。
パニック状態の頭を何とか落ち着かせ、昨日の事を必死に思い出す。
確か昨日は・・・
今日の修行に緊張して眠れなくて・・・、
リビングでホットミルクを飲んで・・・。
『・・・んっと???』
それから何だっけ???
・・・あ!!!!!!
デイダラが来て一緒にホットミルクを飲んだんだ。
『・・・・・・・・・で????』
その後の記憶が無い・・・。
多分、あたし寝ちゃった・・・感じだよね???
でも、寝てたのはリビングだったし・・・
『・・・分からないよ〜。』
デイダラ「何がだい???うん???」
『何でデイダラがここにいる・・・・・・って、えぇっっ///!????』
デイダラ「・・・???」
まだ眠たいのかトロンとした目を擦りながら、あたしを見るデイダラ。
『デデデイダラ////!!!!おは、おはよう///!!!!』
余りの動揺にどもり過ぎてしまった・・・////。
そんなあたしの反応を見てデイダラは目をぱちくりさせるとクスリと笑いを溢し、あたしの頭を撫でた。
デイダラ「おはよう、リク。うん。」
デイダラの微笑んだ顔が余りにも格好良くて、あたしの顔は真っ赤に染まってしまった。
『〜っっ////!???』
何だろう・・・????
気のせいじゃなければ、あたしを見る目がいつもより優しい気がする////。
デイダラ「リク、昨日はぐっすり眠ってたな???うん。」
『え、あ、・・・うん///!!!!あのさ・・・』
デイダラ「何だい???」
『あの・・・///。何であたしはデイダラと一緒に・・・その・・・///???』
顔を真っ赤にして俯くあたしにデイダラは首を傾げる。
デイダラ「何でって、やっぱり覚えてないのかい???うん???」
『・・・うん、昨日の事はサッパリで。』
デイダラ「昨日リビングであのままリクが寝ちゃって・・・。」
『やっぱり寝ちゃったんだ・・・。』
デイダラ「それで、あのままじゃ疲れも取れねェだろうと思ったからリクを抱上げて部屋まで運んで・・・。」
『ごめんね、重かったよね・・・。』
デイダラ「重いどころか軽かったぞ???うん。」
『・・・ありがとう///。』
デイダラ「それでベットに寝かして、オイラも部屋に戻ろうとしたらリクがオイラの服を掴んで離さねェから・・・。」
『う、嘘///!???ごめんね///!????』
デイダラ「だから、離すまで待ってようと思ったらオイラも寝ちゃって・・・うん。」
『あぁぁぁ////!!!!ごめん、ごめんね///!!!』
恥ずかしい///!!!!!
恥ずかし過ぎる///!!!!!
穴があったら入りたい///!!!!
デイダラ「全然大丈夫だぞ???うん。」
『・・・うぅ〜///。申し訳ない〜///。』
デイダラ「本当に大丈夫だぞ。」
『次からは気をつけます///。』
デイダラ「・・・むしろ、オイラとしては大歓迎なんだけどな///。うん///。(ボソリ)」
『え???何か言った????』
デイダラ「な、何でもないぞ///!!!うん!!!」
『・・・???』
デイダラは伸びをするとベットから起き上がった。
デイダラ「そろそろ、オイラ部屋に戻って準備して来るな???うん。」
『あ、そうだよね!!!!!あたしも準備して朝ご飯作らなきゃ!!!!!』
デイダラ「じゃあ、また後でな???うん。」
デイダラはヒラリと手を振るとあたしの部屋を出て行った。
ドアが閉まり足音が遠くなるのを確認してから、あたしは枕に顔を埋めた。
『あたしのバカバカバカ〜////!!!!!』
運んでもらった挙げ句、服の裾を掴んで眠っちゃうなんて・・・///。
しかも・・・
寝ぼけて抱き着いちゃったし////。
『あぁ〜///!!!!恥ずかし過ぎるよ・・・////。』
一人で項垂れて数分・・・。
ふと時計が目に入った。
『あーっっ!!!!!準備しなきゃ!!!!!』
あたしはバタバタと慌ただしく身仕度をを整えると部屋を飛び出した。
**********
皆が起きて来る前に何とか朝御飯の準備を終え、一息ついていると欠伸をしながらサソリがリビングに入って来た。
『おはよう。』
サソリ「・・・はよ。」
何故かジッとあたしを見つめるサソリ。
な、何だろ・・・///???
あんまりジッと見られると恥ずかしいんだけど///。
『・・・サソリ///????』
サソリ「・・・。」
サソリは無言でスッとあたしの髪に手を伸ばした。
『な、何//!?????』
サソリ「・・・寝癖ついてる。」
『え、どこ////???』
サソリ「直してやるからジッとしてろ。」
サソリは手櫛であたしの髪をとかすと、もう一度あたしを見た。
至近距離で綺麗な顔に見つめられ、心臓がドキリと跳ねる。
サソリ「・・・ん、直ったぜ????」
『ありがとう///。』
サソリ「寝坊でもしたのか???」
『あ〜・・・、うん。そんな感じかな////????』
サソリ「・・・ふ〜ん???リク・・・。」
『なぁに???』
サソリ「顔紅いぜ????」
『え///!???あ、紅くなんか無いよ///!!!!』
サソリ「ククク。俺に見惚れてんじゃねェよ。」
『見惚れてなんかっっ///!!!!』
サソリ「ククク。」
『〜っっ////!!!!!あ、あたしコーヒー持って来る///!!!!』
あたしは逃げ出すようにキッチンへと向かった。
朝からドキドキしっぱなしで心臓がおかしくなちゃいそうだ・・・///。
今日の修行までには落ち着かせなくちゃ///!!!!
あたしはコーヒーの準備をしながら、一人気合いを入れたのだった。
〜Fin 〜
2011.9/14
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