Act.2
リクを連れ屋敷を後にすると、門の外に既に相方であるデイダラが待っていた。
デイダラはオレの姿に気が付くと、少し苛ついた様子で口を開いた。
デイダラ「旦那遅ェぞ!!!うん!!!」
サソリ「・・・悪い。」
デイダラ「ぜってェ悪いと思ってねェだろ。うん。」
サソリ「さぁな。」
デイダラ「しかも、何拾って来てんだよ・・・。」
デイダラは俺の後ろに立つリクに視線を向けた。
『サソリ様の周りのお世話をさせて頂きます。リクと申します。』
お辞儀をするリクに近寄ると、デイダラは顎に手を掛け上を向かせた。
デイダラ「ふ〜ん・・・???なかなか綺麗な顔してるじゃねェか。」
リクは体をピクリと震わせ、困惑した様子でデイダラから視線を反らした。
『あ、あの・・・』
デイダラ「身の周りのお世話を・・・ねェ???」
ニヤニヤと厭らしい笑みを浮かべてリクを見るデイダラ。
何を考えているか容易に察しが付き溜め息が漏れる。
サソリ「・・・オレのモンに手を出すんじゃねェぞ。」
デイダラ「んー???あぁ、分かってる。」
リクから手を離したものの、視線は舐め回すように身体を見ている。
男所帯に女が一人・・・。
面倒臭いことにならなければ良いが・・・。
サソリ「・・・そんな事より、さっさとアジトに帰るぞ。」
デイダラ「そんな事よりって、元々旦那が遅れたんだろ???」
サソリ「早くしろ。」
デイダラ「あぁ???本当に勝手だな。うん。」
サソリ「勝手だァ???」
オレはデイダラを睨み付けた。
そもそも隠密行動しろと言ってあった任務・・・
それをデイダラが派手にやらかしたせいで屋敷の者が気付き手間取った。
どう考えも非があるのはデイダラだろう・・・。
デイダラ「・・・何だよ。うん。」
サソリ「オレは隠密行動しろって言ったよな???」
デイダラ「それが何だよ???」
サソリ「あんな馬鹿みてェに存在を知らしめて、屋敷の奴が反応しなかっと思ってるのか・・・???」
デイダラ「・・・・・・ちっ!!!!」
オレの言いたい事が伝わったのか、デイダラは罰の悪そうに舌打ちをすると粘土で出来た鳥を出した。
デイダラ「ほら、早く乗れよ。」
サソリ「・・・リクも早く乗れ。」
『はい。』
オレの横に沿うように座り、粘土で出来た鳥を不思議そうに観察している。
デイダラ「・・・どうした????」
『素敵な鳥ですが、何で出来ているのかと・・・。』
デイダラ「素敵???よく分かってるじゃねェか!!!うん!!!!!」
デイダラは嬉しそうにニッと笑いを溢した。
デイダラ「これはオイラが粘土で作った芸術作品だ!!!!うん!!!!」
『粘土???』
デイダラ「あぁ、しかもこれは爆発する!!!!うん!!!!」
『・・・爆発????』
デイダラ「儚く美しく散る!!!!一瞬の美こそが・・・」
サソリ「デイダラ、てめェいい加減にしろ!!!!」
デイダラ「最後まで言わせろよ!!!!うん!!!!!」
サソリ「任務遂行が最優先だろーが。」
デイダラ「っ!!!!っるせぇな!!!!!」
デイダラは悪態をつくと、鳥を羽ばたかせた。
デイダラ「ちゃんと捕まってねェと落ちるから気をつけろよ。うん。」
『はい。・・・・・・・えっと。』
この鳥に捕まる場所など無い。
チャクラでも使えなければ捕まる等、到底無理な話だろう。
戸惑った様子で辺りを見回すリクの腕を掴む。
サソリ「オレに捕まってろ。」
『・・・サソリ様、ありがとうございます。』
リクは目を細め微かに笑みを浮かべた後、オレのマントにギュッとしがみついた。
〜next〜
2013.9/10
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