「何故いつも男子の格好なんだ?」


突然、僕はドラゴンにそう問い掛けられた。何故、と言われても…

「理由はないし…、普通の格好だと思うけど?」

「達也は女子らしい格好も似合うと思ったのだが…、」


ドラゴンの滑らした言葉に少し心臓が跳ねる。ドキッじゃなくギクリの方



似合うって言われたのは実はこれで四回目。勝太くんやヨーデル、ぶっちゃけにもよく言われる。

そう言われるのは嬉しいし、照れるだけど…
正直、女子らしい格好には疎いし
スカートとかに凄く抵抗がある。

…引っ括めて言えば、
周りに言われても自分に自信が無いわけで……



「そう言ってくれるのは嬉しいよ、ありがとう。」

「む、」

「でも、僕はあまり女子っぽいのとかよく判らないし…」


苦笑いしながら最後にごめんねっと付け足し、ドラゴンを見れば何だか不満気な顔。



「…わかった」


その表情がフッと消えると、
何故かドラゴンは僕に背を向けた。


「一週間、待ってくれ」

「え?」



そしてただそれだけを言い残して
ドラゴンはそそくさと自分の家へと帰ってしまった。


「一週間…?」



一週間後に何かあるのかな…?





そしてドラゴンが言った一週間後

僕は何故かドラゴンから沢山の服を貰う羽目になった。

しかも全部手作り。


…こんなことされたら、
「着れない」なんて言えないじゃないか……

策略士め………。





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