レオくんはカッコ良くて人気者。けど逆を返せば軟派者に見えてしまう。あの時僕に言った『好き』はもう忘れているんだろうな、レオくんの矢印はいつだってブレてる。 

「勉くん」

ピタッ、レオくんの矢印は今日は珍しく僕に止まった。

「この前のあれ、本当だから。」

「えっ」


そしてレオくんの言葉に僕は思わずぽかんっと口を開ける。

「忘れちゃったかい?オレが君のこと好きなの」

「な、え…?レオくんが忘れてたんじゃ」

「オレが?」

状況が理解出来なくて僕は思わず口パクパク。そんな僕を見てレオくんはムッと顔をしかめた

「オレは忘れたことなんて一度もないよ?オレはね?」

そう口を尖らせて不貞腐れたレオくんに、逆に僕が申し訳ない気持ちになった

「…ごめんね。」

彼の矢印は揺るがないまま、僕を差していたんだ




←戻る