僕が眠るのは、いつも彼が眠る前。
前にどちらかが先に寝るのか競ったことがある。

あのときは「そんなのしたら、イズモの肌が荒れてしまうよ?」とやんわりと丸め込まれて、瞼を閉じてしまった。

彼の声は、どうしてこんなに
僕を安心させるのだろうか。




朝が来て、ああ負けてしまった…っと
少しの羞じらいと悔しさを思いながら、彼は何処だろうと探す。


「テスタ…?」

「ん?ああ、おはようイズモ」


キッチンから良い香りがするな、と向かえば、そこにはエプロン姿のテスタが。

いつものその光景なのに、毎日毎日彼がずっといるのを実感して、


「朝御飯、もう少し待っててな」


そして今日も僕は
彼にリードされながらの
幸せな1日が始まる。






←戻る