2人の日課


「ね、シャンクスもそう思うでしょ?」

「ああ。そうだな。」


2人で布団にくるまり、お名前が眠くなるまで他愛もない会話を楽しむことが寝る前のお名前とシャンクスの日課だった。

今日もいつものようにお喋りをしていると、お名前が欠伸を噛み殺す。その顔を見て、シャンクスが小さく笑った。


「もう寝るか。」

「うん。」


シャンクスが布団を出ると、扉の方に歩いて行き、部屋の明かりを消した。


「シャンクス。」

「ん?」

「ね、シャンクスどこ?」

「すぐに戻る。」


真っ暗になった部屋で、お名前がシャンクスの名前を呼びなから姿を探す。

「ねー!」

「ハハハッ!」

シャンクスの笑い声がする方へ手を伸ばすと、お名前のその手をシャンクスがぎゅっと握った。


「あ、いた。」

「ああ。」


そう言ってシャンクスは布団の中に入ると、くすくすと嬉しそうに笑うお名前を抱き寄せた。




暗い視界に慣れてきたおかげで、徐々にシャンクスの顔が見えてくる。


「シャンクス大好き。」

「おれもだ。」

「ね、もう少しお話してたいな。」

「眠いだろう。もう遅い。」

「でも。」


明日も明後日も、シャンクスと一緒に布団に入り、こうして話をしながら眠りにつく。それを分かっていても、毎晩眠ってしまうのがもったいないな、とお名前は思う。


「シャンクス寝るの?」

「ああ、そうだな。お名前が眠ってからにする。」

「もー。」

笑ながらお名前がシャンクスの胸に擦り寄ると、シャンクスは無意識にお名前の頭を撫でた。

「ね、明日2人で寝坊しちゃおうか?」

「ハハハハッ!悪い子だなァ。」

コツン、とシャンクスが自分の額をお名前に軽くぶつける。

「痛いよシャンクス。」

「ハハハハッ!!」


欠伸をしていたくせに、自分と話していたいからと言ってなかなか眠りにつこうとしないお名前。
そんなお名前を誰よりも愛おしく感じながら、明日の朝はどうやってお名前を起こしてやろうかと、こっそり口元を緩めるシャンクスなのだった。




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