小説 | ナノ




‖約束

「ルーン見て!!ほら外に来て!!ほら、早く!!」

わたしは外から彼の名を呼ぶ

「どうしたんだい?フィリエル
何かあったのかい?」

黒髪の少年は今さっき起きたばかりなのか眠たそうな声でドアを開ける。
わたしは地面に積もった雪を手に取りすかさず彼目掛けて投げつけた
その雪はルーンの顔に直撃しぼたぼたと地面に落ちる

「お寝坊さん、ルーン
昨夜は何をしていたの?また、夜中まで本を読んでいたの?
朝こんなにも美しい風景が見れるのに…勿体無いわよ」

わたしは笑いながら言う。

「フィリエル、君ね
僕は勉強を…」

彼の言葉を耳に入れずもう一回投げつける。

「言い訳無用
そんな生活身体に悪いわよ
明日もそうだったらご飯抜きよ」

もう一回投げつけようと手に地面を触れたか触れないかの瀬戸際いきなり冷たい塊がわたしの顔面に当たる

「お返しだよ
ユーナ」

彼は微笑みながら言う。


わたしはふいに昔の事を思い出す
彼が初めてわたしの家へ来たこと
博士達と雪投げをしたこと
毎年食べるあのお菓子
あの味
そして温かい暖炉…


「フィリエル?」
でも大丈夫
今は
彼が
わたしの側にいるから…

もう何処にも行かないって約束したから…




†ルーンとフィリエル†


[*前] [次#]






Main



×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -