戦闘-2

数日前、私は犬夜叉の血の匂いが変わったのを嗅ぎ付けた。
その正体をこの目で確かめるべく、刀を交えた。
しかし、やはり半妖の血の匂いしかしなかった。

「半妖は所詮半妖か…。」

犬夜叉は重くなった鉄砕牙を捨て、ついには丸腰で向かって来た。
私がそれを剣圧で吹き飛ばすと、犬夜叉は力無く座り込んだ。

「もういい、死ね犬夜叉。」

私は闘鬼神を構え、犬夜叉に向かって颯爽と駆け出した。
しかし、その瞬間――ほんの一瞬だけ恐怖を覚えた。
犬夜叉の妖気が、確かに変わった。

『殺生丸さま!』

私の背後にいた花怜が犬夜叉を守るかのように私の前に立ち塞がった。
霊刀を造り出し、静かに構えを取った。

「…花怜、何の真似だ。」
『もうやめて下さい。』

何故だ、花怜。
待ち望んでいた筈の花怜が、犬夜叉を庇っている。
犬夜叉の連れの女が期待を含んだ声で花怜の名を呼んだ。

「花怜ちゃん!」
『かごめちゃん、早く犬夜叉さまを。』
「でも、花怜ちゃんは…!?」
『早く!』

あの女とも親しくしているのか。
此処で刀々斎が動いた。

「みんな、犬夜叉連れてずらかれ。」

刀々斎は口内から大量の火を吹き出し、犬夜叉と私たちとの間に火の境界線を作った。
犬夜叉の匂いが遠退いてゆく。
その間にも、私と花怜は刀を構えながら向き合っていた。
花怜の無情な瞳を見つめながら、私は口を開いた。

「この私と刀を交える気か。」
『此処は通しません。』

そうまでして、犬夜叉を庇うか。
その行動に対する嫌悪感と、犬夜叉に対する憎悪が膨れ上がった。




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