任務開始

雅がふと目を覚ました時、小鳥も囀る朝になっていた。
すやすやと無邪気に眠るデイダラに寄り添って眠っていたようだ。
喉の渇きを水で潤そうと、デイダラを起こさないようにそっと身体を起こした。
しかし、思わぬものが襲ってきた。

「痛っ…!」
「………うん?」

腰から背中にかけて、ズキズキする痛みだった。
痛みが声に出てしまい、デイダラを起こしてしまった。
雅は何も纏っていない身体を隠す為、掛け布団を胸の上まで慌てて引っ張り上げた。
デイダラは目を擦りながら起き上がり、背中を摩る雅の顔を覗き込んだ。

「おい、大丈夫か?」
「腰と背中が…」

雅が頬を赤らめている。
デイダラには心当たりがあった。

「…オイラのせいだな…うん」
「そうでしょうね」
「悪りーな…」
「馬鹿」

激しく突き過ぎたのだろう。
雅に別の痛みが残ってしまった。
デイダラは深く反省したと同時に、悪戯を思い付いた。

「お詫びに身体洗ってやるよ、うん」
「お詫びになってません!」
「そんなの気にすんな。
部屋にもシャワー室があって良かったな」
「ちょっと…!」

雅は掛け布団を引っ剥がされ、慎重に横抱きにされた。
片手でデイダラに掴まり、片手で胸元を隠した。
部屋のシャワー室に連れていかれると、木製のバスチェアーに下ろされた。

「お楽しみの時間だ、うん」

もう一度雅をおかわりしたくなったデイダラだが、我慢した。
雅の身体には予想以上に痛みがあるようだし、今日はサソリと待ち合わせだ。
深夜には暗殺が待っている。
迂闊に楽しんでもいられない。




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