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片思いのナギみつ

指定リクエストパレット
珊瑚色/恋/切なく思う



「ミツ〜キ〜!アナタには、元気な色が似合います!」
そう言って押し付けたのはピンクコーラル。淡い色の華奢なアクセサリーは確かに女性的で、彼の機嫌は急転直下。気に食わないと主張を見せて、それでも最後には溜息をつきながら受け取ってくれる貴方は本当に男らしい。自分の感情に正直と見せ

かけて、どこまでも他人に優しいのは貴方の美徳であり、悪い所。
「ワタシの国では、珊瑚はオマモリです。ミツキ、これがアナタを守ってくれますように」
細い金色のチェーンの先に繋がった、小さなペンダントトップにキスを落とすと、ミツキは「全く、お前はいつも気障だなぁ」と呆れてみせた。

男らしいミツキ、ワタシを少しも疑わないミツキ。どうか、この下心に気が付かないで。その珊瑚を右耳につけさせたかった、切ないワタシの思いなど。
「でも、ま、ありがとな」
こんなこと、好きな女の子以外にするもんじゃないぞ〜、と太陽よりも明るく笑った彼に、ワタシは目を眇めた。

ワタシの恋は、誰かの心臓の近くで踊っている。



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