初の見本(紗奈)
はじめてのツチノコ
マフィアになってしまって数年。
中学生の時に十年後に飛ばされた時、お兄さんが「ツチノコなら3年前に発見されたぞ」と言っていた。
ということは、つまり、あの時から7年後の今年、発見されるはずなのである。
けれど、今の所見つかったという話は聞かない。ならば、探せば見つかるということだろう。
「――ということで、雲雀さん。ツチノコ捕まえに行きませんか?」
雲雀さんの情報収集能力と、オレの超直感があればすぐに見つかりますよね! と笑顔を向けた。
「…………いきなりツチノコって何……」
呆れたように雲雀さんは溜息を吐いた。
「獄寺君がUMA好きなの、知ってますよね」
シモンファミリーと知り合った時はSHITT―P!を追いかけ回していたくらいにオカルトなことが好きであり、月刊世界の謎と不思議を愛読し続けていることを。
「まぁ、興味は無いけれど、あれだけ騒がしければ、ね」
知ってはいる、という返事にニッコリと笑う。
「毎年誕生日プレゼントあげてたんですけど、そろそろネタ切れで……」
「あいつなら何でも喜ぶだろ」
「それを分かった上で、何か好きな物を探すのがプレゼントっていうものじゃないですか」
いいんですよ、来年は雲雀さんの好きそうじゃないものにしても。
ここの所ネタ切れだっていうのは、他の守護者全員にしたって同じことなのだから。
「その場合、雲雀さんには骸と一緒だけれどマフィアを潰すなんていう咬み殺し放題の任務とかになるでしょうけれど」
ずっと骸と一緒なんて嫌ですよね?
未だに初対面時の色々を引き摺っていて天敵なのだから。
「……ツチノコ探しに付き合ったらどう変わるのさ」
「何が欲しいです?」
にこーっと笑って尋ねる。
「ふぅん、何でもくれるんだ?」
「まぁ、オレに用意できるものなら……」
(後略)
冒頭の一ページです。
改行を多めにとってあります。
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