セピア
色鮮やかな傘に
当たり伝い落ちる
幾雫の雨
枯れかけの木の葉は
渇きを凌ぐことも
できずにいる
肌寒い春の日
あなたとの出会いの
季節は柔らかで
木漏れ日がいつも
溢れかえって もう
飽和していた
思い出はいつでもいつまでも
霞みながらもあたたかくて
遠い
墓標を一つ今日
私のなかでたてました
後悔ならしていない
けれど喉のずっと奥は苦しい
死に絶えた心よ さあ
末永くおやすみなさい
時期はずれの大雨に
あなたの優しい声が聞こえる
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