頑陋


肌寒さから逃げて
締め切った箱の中から
ひときわ白い君を見た

結びついた眼差し
その確かさに目もくれず
あげた声にはりなどない

寄り添って笑い合いもしただろう
手を重ねたことも数え切れないほど
隔たりになど気づきもしない僕に
透けた箱はほのやかに指をかたどる

こんなにも外は寒いから
ほら曇りガラスがまた
涙をながす

不誠実で不躾な僕を笑って
吐息が消えた壁越しに
雪が舞っている


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