鳥葬
湿った香りが
冬の空の下
冷やされておだやかに
漂う朝
躊躇いなく
走る車の横
虚ろな目をさらして
息を捨てた
最期の吐息はいやに濁って
ぐずる声にも似ていたけれど
黒い羽の鳥に掻き消されて
きっと誰にも気づいては
貰えなかったろう
半端ものさ ほら
僕は世界の隅で
弄ばれ啄まれ朽ちてゆく
雨が降れば ほら
その頃には首を
掴まれ放られ燃やされてしまう
半端ものさ ほら
背けた目が物語る
これでおしまいさようならさようなら
瞳よどうか最期は光を仰いで
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