お酒と幸運



可愛い可愛い可愛い!どこもかしこも可愛い愛しいもう死んでしまいそうだ!
やっぱり苗木くんはお酒酔いやすいんだね!高いお酒買ってきて良かった!ほらもうこんなでろんでろん!舌っ足らずに「こまえらく…」なんて言われた日にはもう、もう、もう。

ごめんね、内心謝ってから行動開始。頂きます。

苗木くんの片足を自身の肩に乗せ、その奥にある目的の場所へと手を伸ばす。
散々焦らされ勃起しきったそれは腹にまでひっつくようで、先端から白い滑りけのある液体を溢れ出している。
それを無視してアナルに指を突っ込み、腹の内側を探るように撫で続けていれば苗木くんが暴れだす。

「こま、狛枝くん、なにして」
「なにって、苗木くんのお尻に指を…」
「うわああ!」

あらら、お酒でもう抗う術など思ってたけど案外元気なんだね。でも今は大人しくして欲しいなあ、ということで両腕を苗木くんの服でぐるぐる巻きにしておく。

「ちょ、ちょ、狛枝くん、これ、あっひゃ、ちょ」
「どうしたの苗木くん」
「んあ、あっお尻、ぐりって、やあう、ほんとっなにしてんの!」
「なにって、覚えてないの?」
「えっ?」

ああ、残念。どうやら苗木くんは覚えてないようだ。それはそうだ。酔ってたんだもんね。お酒が入ってたんだもんね。そうだよね、うん、そうだとは思っていたよ。

「ひどいなあ、僕の心を弄ぶだなんて。まあ苗木くんにだったらいくらでも弄ばれたいね」
「は、は?」
「でもなんにも覚えてないってのは僕みたいなゴミクズでも傷つくけど」
「いやいや、だから、え?」

苗木くんは本当に何も覚えてないらしい。成程、これが幸運の代償か。
こんな大きい幸運に代償がついてこないだなんてあえりえないとは思っていたが、まだやり遂げてもいないのにひどくないだろうか。
ふぅ、と憂いを込めたため息をつけば優しい優しい苗木くんは自分が何か悪いことをしてしまったのかと錯覚する。
今この状況では明らかにぼくの方が悪者なのに、苗木くんは「え、ええと」と急いで記憶を遡る。

「た、確か、今日は左右田くんと九頭龍くんと狛枝くんにお呼ばれしてご飯食べてて」
「うん」
「…そしたら、狛枝くんがお酒を進めてきて」
「うん」
「…飲んで…」
「うん」
「……」

そっからの記憶が曖昧らしい。困ったような笑顔を浮かべ「ご、ごめん…どうしたんだっけ」と言う苗木くんの生足を担いでいる僕の状況から察せられないとはよほど混乱してるに違いない。
僕はにこりと微笑んで、お尻に突っ込んだ人差指をぬぷりと奥に奥にと滑り込ませていく。

「あう、うっ、ひゃあ、そこ」
「ここがイイトコ?」
「え、いいとこ…」

前立腺。こりこりとするそれを知らないのだろう苗木くんは。可愛いなあ、成程こっちの知識は何もないわけかそれは安心した。
微笑ましくなってもっと人差指でこねまわしてあげた。

「あッ、あああッ、だめ、そこだめ、へん、へんッ」
「苗木くん、僕が持ってきたお酒気に入ってくれたみたいでね」
「あふ、ふああッ、な、やめ」
「ぐびぐび飲んで、そしたら酔っぱらっちゃったみたいでさ」
「あうッ、こま、えらくッ、ああっ」
「眠いーって言うから僕の部屋連れてきてあげたの。あ、なんかもう2、3本入りそうだね。えい」
「ッあーー、いた、」
「でね、苗木くん覚えてないかもしれないけど『狛枝くん、好き』って言ってくれたんだ」
「は、はあ?そん、あああッ、つま、つままないっでえッ」
「まあ好きっていうのは僕が無理やり言わせた、のもあるのかな。だけどそんなこと言われたらゴミクズである僕だって、我慢できなくなっちゃうよ」
「やあッ、あああ、ら、うあっ」
「…それにしても苗木くん、感じやすいの?いや僕で満足してくれるだなんて思ってもいないけど、でもこんなに喘いでるってことは気持ちいいってことでいいのかな?」
「やあうッ、やあッ、ちが、もお、やらあ!」
「淫乱ってやつなのかな、僕だからかな、……それともお酒が入ってるからかな」
「も、も、こまえらくッ」
「……どっちにしろ、楽しもうか」

三本の指を中でバラバラと動かし、しこりを二本の指でこね回せば苗木くんは仰け反りびゅるると白濁を零した。
うわあいっぱいでたね!喜びながらペニスの先端の穴をもう片方の指先でさすればびゅるり、びゅるりと何回かにわけて飛び出る。
苗木くんは放心してボーとしているが、そろそろ僕もいれてもいいかな。
苗木くんの痴態だけでイケる自信はあるが、ぬらりと光るこの穴は今の僕にはとても魅力的だ。
ハァ…吐息をはく。体が暑い。もしかしたら僕も酔っているのかもしれない。度数はそれなりだったし、考えてみればいつもの僕にしては今日よくやったほうだ。

「…こまえだ、くん」
「…ん?」

ふいに苗木くんに名前を呼ばれ顔をそちらに向ける。
疲れきってる苗木くんの目がゆるやかに僕を居抜き、そして疲れたように言葉をもらす。

「……い、いれるのは、勘弁して、欲しいな」

……ああ成程。男と男がヤる場合どこを使うかは知っているらしい。
疲れている体でありながらずるずると引き下がる苗木くんの目に苦笑はうつるものの、怯えや怒りの感情はない。
うん、彼はお人好しだ。伊達に殺し合い生活を経験したわけでもない。多少のことでは動揺しない。

そんな苗木くんに僕はにっこり笑って、拘束された腕を掴み顔を近づけた。
わ、と短い悲鳴が彼から出る。

「苗木くん」
「え、う、はい」
「好き」
「……」
「僕みたいなのに好きって言われても、気持ち悪いよね、嫌だよね、死んで欲しいよね」
「狛枝く、」
「でも、僕はすごく嬉しいんだ」
「え」

するり、と苗木くんの頬を撫でる。苗木くんの白濁が手についていたため必然的に頬にもつく形になったわけで、苗木くんはすごく嫌そうな顔をした。

「僕なんかの手で気持ちよくなってくれるだなんて、すごくすごく嬉しい」
「き、きもちよく、て!」
「だから頑張るね」
「僕は別に、は、」
「もっともっと、気持ちよくなって」

その言葉と共にカチャリとズボンから自身のものを取り出せば、苗木くんが口をパクパクとやりぶるぶる震え出すのが分かった。
うん、そんなに期待しないで、すぐいれてあげるから待っててね。そう優しく囁いたのと、苗木くんが縛られた両腕を必死に動かし暴れだしたのは同時だった。








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