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夏祭りの夜に
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「あれ〜?夏子じゃん」


「お前も来てたの?」


「う・・・うん」




向こうからやってきたのは、同じ生徒会メンバーの海司と瑞貴だった。



「あれ、昴さん?」


「もしかして、デートっすか?」


「・・・まぁな」




まさかこいつらデートの相手が夏子だとわかってないわけじゃないだろうな?



「さすがッスね。さっきそらさんにも会いましたよ」


「そらさんもデート中でした」


「お前も昴さんのデート邪魔すんなよ?なんならオレらと回る?」


「・・・海司さん、鈍すぎ」





本気で気付いてない海司となんとなく気付いた瑞貴を残してオレ達は人ごみを抜けた奥のほうに歩いた。




「花火までまだ時間あるからこっちやるか?」


「あ、さっきの」





オレが取り出したのは、さっき夜店のくじで当たった線香花火だった。



「ほら、点いた」






火の点いた花火を夏子に渡す。




「線香花火って地味だけど案外好きですよ」


「オレも」





暗闇の中で線香花火がパチパチしている。





「夏休みが明けたら・・・あいつらに見せつけてやろ〜ぜ」


「えっ」


「海司あたりマジでヘコむだろ〜な」


「なんで海司がヘコむんですか?」




・・・マジ鈍いな、お前。




これは海司が浮かばれないな・・・とほんの少しばかり同情したがオレも夏子を譲るつもりはないから同罪か・・・。





「まぁ・・・いずれわかるさ」


「え?なんですか?気になり・・・んっ」






これ以上なにも言わせないように夏子を抱き寄せキスをする。





「誰かに見られたら・・・」


「みんな花火に夢中で誰も見てねーよ」






実際、つい先ほどから始まった花火に観客は集中していてこちらを見る人はいない。




「お前はオレだけ見てればいーんだよ」




夏子に反論を言わせないようにまたキスをする。





お前は、オレに集中したらいいんだよ。





オレもお前しか見てねーから。






-fin-

Byみゅー:dessert time

 

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