夏休みは二人で
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夏休み明けの予定を組んでいたりして学校を出るのが遅くなった。
気づけば照りつけていた太陽も夕日に変わっている。
生徒会室を出る夏子となんとなく一緒に歩く。
「遅くなっちゃいましたね」
「まだ夕方だろ?お前、そんなお嬢だったっけ?」
「違いますけど・・・」
そのまま、なんとなく一緒に帰る感じになり、海岸通りを二人で歩いた。
「昼間の海も好きだけど、日が沈む前の海もいいですよね」
「ああ、そうだな」
見渡せば、一面真っ青な海。
今、ここで想いを打ち明ければ夏子お前はどうするんだろう。
"好き"たった二文字なのに、出かかった言葉はなかなか出てこない。
「昴先輩は夏休みどうするんですか?そら先輩はデートとか言ってましたけど」
「そういうお前はどうなんだよ」
「残念ながら予定がないんです・・・海も花火もお祭りも一人ですよ」
笑いながらそう言った夏子。
「・・・かないか?」
「え?なんですか?」
「海も花火もお祭りも・・・一緒に行かないか?」
「同情してくれるんですか?」
「そうじゃない。・・・オレは、夏子。お前と行きたいんだ。これからもずっと・・・」
「それって・・・」
「お前が好きだ、夏子」
「先輩・・・」
言い出せなかった想いを口にしたはいいが、いきなりすぎたか。
「嬉しい」
「えっ?」
「私も昴先輩と一緒にいたかったから」
そう言った夏子は、恥ずかしいのか夕日があたってるのかわからないくらい顔を赤くしていた。
そんな夏子の頬にそっとキスをする。
「夏子、好きだ」
「私も、好きです・・・」
オレ達はお互い見つめあうと
どちらからともなく唇が重なった。
これからは
楽しい事も悲しい事も
二人で・・・な。
-fin-
Byみゅー:dessert time
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