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─30分前…
ナタリアとガイは用事があってここにはいない。ということで、ジェイドに頼み込むこと数分。
『嫌ですよ面倒くさい』
こっぴどく断れ続け、終いにはこの一言が何回も放たれ続けた。
こうなるのは予想済み。
偶然近くにいたアニスに話を持ちかけた。
『じゃあ、アニス!頼む、教えてくれ!』
何か奢ればきっと…と思っていたが、考えが甘かったらしい。
『ルーク学習能力なさそうだしぃ…あっ!ティアに頼めばいいじゃーん☆』
アニスはたまたま通りかかったティアに声をかけたのだ。
全くの予想外な展開。
…よりによってティアに!
『どうしたの?』
…“ティア”に、声をかけてしまうなんて。
『ちょうどいいところに〜!!あのね、ルークが音素学について教えてほ』
決して嫌な訳じゃない。
『あっアニス!な…っ』
『えーっ、ティアに教わるの嫌な訳〜!?』
『ちがっ、そういう訳じゃ!』
─けっっっして、嫌なわけじゃない。
……だけど。
『…そう。私に教わるのが嫌なのね』
(誤解だって!俺は、)
ヒヤリとしたそのティアの視線に、本当のことがでかかったのを押さえて誤解を解くために脳をフル活動させ、理由を咄嗟に考えた。
『違う!!そういう訳じゃないんだって!……だから…っ、…女に習うのって、…格好つかないじゃん』
『…アニスちゃんも可愛い女の子なんですけど?』
アニスが何か黒い顔して呟いてるけど、そこはあえてスルー。
『…嫌な訳じゃないの?』
ティアが意外そうな顔をしている。その顔を見て、俺は握りこぶしをつくって全力でこたえた。
『あっ、当たり前だろ!』
『…そう…でも、私でいいの?』
『へ?ああ、大丈夫大丈夫!今日からよろしくな』
───そうして、いまに至る。
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