捧げもの | ナノ

 『vs』  ルクティア+長髪ルーク/まりも様リクエスト

「だぁぁぁー!ここどこだよ!!」

「ちょっ、おまえ!!うるさいからだまれ!」

「てめぇもだまれ!!しかも何髪切ってんだよ!」

「…いちいち声張り上げなくていいから」

「なっ…!うっぜーまじうぜー!!」



「え、…ルーク…?」



大佐に伝言を頼まれていたのでルークのいる部屋へ向っていると、聞こえてきたのは独り言とは思えないほど大きな、ルークの声。
少し部屋へ向う足を速め、部屋の扉を開ける。

―私の視界に飛び込んできたのは、誰もが目を疑う光景だった。


「……え、る…っルークが2人…!!??」


…今のルークと、髪を切る前のルーク。
二人が、取っ組み合いのケンカをしていたのだ。
ルークが長髪ルークの口を手で塞いで髪を引っ張り、長髪ルークがルークの胸倉を掴んでいる。
私が部屋に入ったのを確認した瞬間、ルークはぱっと手を離し長髪ルークの手を解いて私のところへと駆け寄ってきた。


「ティア!なぜか知らないけど俺がいんだけど!」


長髪ルークはそれを見て、だるそうに座り込んでいる。
ルークは長髪ルークを一度見てため息をつき、本当に疲れたというような感じで話し始めた。


「あいつ、いちいちうるせーし、かなりウザいんだけど!」

「…あれ、昔のあなたよ…」


なんてつっこみをいれるが、そこはあえてのスルーらしい。そんなことはもうどうでもいいみたい。


「何であいつがここにいるんだよ…。俺、昔の俺見てるのかなり嫌なんだけど。恥ずかしくなってくる……ってかみんなはもう集まってる?」


ルークのその言葉を聞いて、驚きすぎて忘れていた本来の目的を思い出した。


「あっ、そうそう。そのことなんだけど、今日は自由行動になるって大佐が言ってたわ。大佐が急用だとか」

「自由行動、か…ティア、今日暇?」

「今日は私、買い出し当番だけど…終われば暇よ」

「じゃあ…買い出し俺も一緒に行く。手伝ってやるよ!」

「…えっ、いいの…?」

「……俺、かっ、買い物行きたかったし…!」

「じゃあ…私っ、準備してくるわ。終わったらここくるわね」

「うん、わかった」



「………………。」





ルークと一緒に買い物に行ける。
私は気分が良すぎて、


あとの事を、これっぽっちも考えていなかった。



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