カゴメは外なんて気にしなくていいの
ずっと…私だけのカゴメ。
私が、物心ついた時には
その家には私と母親の二人だけだった
暗い室内、毎日が静寂に包まれて
私には朝がなければ昼もやってこない。
ただただ同じ、夜の闇ばかり
一度外に出ようとするものなら
制裁を与えられその度に聞かされるのだ
ずっと、-----だけの"籠女"。
もう、私は何代目の籠女なのだろう
ある時の私は何処ぞの台国の姫や
国の頂点に立ったこともある
しかし、それは私の力じゃない
歪んだ人の愛のせい…。
一度、自分の運命に耐えられず
自らその命を投げ出したことがあった
これで、解放される。
そう思った
しかし、死んだはずなのに
私を愛してくれた者の嘆きと悲痛の声が
耳から離れなかった。
今までの、どんな死よりも辛かった
でも
死なんて怖くない、だってまたすぐに…
「ねぇカゴメちゃん?」
『なぁに、ママ?』
「ママと一緒に死んでくれる?」
『…』
ほら
『いいよ』
「大丈夫、ママがずっと一緒よ、私だけの籠女…。」
また生まれ変わる。
私の連鎖はとまらない
2013/03/13
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