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 夜。オレは役員と言うことで広い部屋を1人で使わせてもらっている。
 ネコを被らなくていいので、ありがたいことである。
 ここではだらしないカッコもできるし、AVを見ながら自分で息子を可愛がったりもできる。もちろん、そのAVはおっぱいボヨヨンの女の子が主役だ。

 だが…。そのおっぱいが今、オレの目の前で大きく揺れている。ベットに寝ていたオレが起きたら、目の前に女性がオレに乗り上げていたと言うわけだ。

「はじめまして。先日は我の弟を助けてくださり、ありがとうございました」

 その妖艶な声にようやく魅力的なおっぱいから視線を上に上げた。
 そこにいたのは見たこともないほどの絶世の美女。絹糸のような流れる白い髪に薄紫の切れ長の瞳。まるで真紅の薔薇のような色のふっくらとした唇。白陶器のようなキメの細かい肌。美女として散々称賛を受けていた自分の母を遥かに超える存在をオレは産まれて初めて見た。
 それに…。
 紫色の着物から見える細い腕に足。そして谷間がくっきり見えるほどの大きさのおっぱい。

 まさに男の願望の姿。眼福だ。

 オレは状況も分からないのに、鼻血が出てもおかしくないほど幸せを感じていた。

 長い間このホモ学校で身を守り続けていたオレに対しての褒美なのか。ああ…ありがたや、ありがたや。

 美女にマウントポジションを取られたまま、オレは内心で拝む。もちろん、拝む相手は目の前の桃源郷の桃に対してである。

「あのままでは弟は踏みつぶされてしまっていたでしょう。ですからお礼とし我が貴方様に奉仕させていただきたいのです」

 そう言って、美女はオレにキスを仕掛けてきた。もちろん、オレはそれを大歓迎で受け入れる。
 
 ん〜幸せ〜。

 夢でもいい!これならAVなんかよりよっぽど抜けるぞ。

 そう思ってオレからも舌を絡めていった。深い深い口付けになる。

「どうぞ、我の身体を自由にしてくだされ」

 そう言って着物をゆっくりと脱いでくる。全裸になった彼女のなんと素晴らしきプロポーション。

 なに〜。このAV真っ青なシチュエーション!でも、オレは受け入れるぜぃ!ありがたくいっただきま〜す。

 今度は内心ではなく本当に手を合わせて拝んでから、彼女を抱き寄せようとした。

 だが、そこに邪魔者が入る。

「ちょ〜と待った!兄上。この者は我に向かって『塩』と言いました!つまりは、虐めようとしたんです。助けなんかではありません!」

 いつの間に入ってきたのか、ベッドの近くで小さな男の子がこちらを指さしながら喚いていた。

 ここで、煩悩しかなかったオレの頭にようやく理性が戻ってくる。

 この美女とこのガキはなんなんだ?

 弟と兄上と言うんだから、兄弟か…ん?

「…あにうえ?」

 オレがそうつぶやくのと、美女の雰囲気が一転したのは同時だった。


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