好きなのにね
皆さんこんにちは、苗字名前と申します。

苗字は忍術学園のくのいち教室の生徒です。

同じく忍術学園の、忍たまである潮江文次郎君と交際をしています。

苗字は文次郎と恋人なのです。

カップルってやつです。


朝ごはんを食べようと食堂に行くと、文次郎がいました。声をかけました。


「おはようです」

「ああ」


…なんか素っ気ないのです。

これは今日に限ったことではありません。いっつもこうなのです。

文次郎と苗字は同い年です。
なので忍術学園入学時からの仲です。

お互い、はじめから好きだったわけではありません。まぁ当然ですが。

苗字は5年生の冬の実習の時にちょっとヘマしちゃって死にそうだったのですが、そこを文次郎が助けてくれたのです。
それまではただのギンギン野郎くらいにしか思ってなかったのですが好きになっちゃったのです。

苗字は単純で簡単なやつなのですぐに告白をしました。

そしたらなんと、文次郎は3年生くらいから好きだったとか言ってました。

3年生の頃、文次郎が用事で苗字を呼ぶと振り向いた時に微笑まれたとかで、それに落ちたらしいです。そんなことあったかな?苗字はちっとも覚えてないのです。

まぁそんな細かいことはどうでもいいのです。
あっ今のなんか小平太に似てた。行け行けドンドン!!

だからつまり、何が言いたかったかと言うと、文次郎と苗字は5年生の冬頃からお付き合いを始めたのです。

文次郎が苗字に素っ気なくなったのはそれからなのです。

それまでは普通にお話ししていたのに、お付き合いを始めてからは全然話してくれなくなりました。
話してくれないどころか目も合わせてくれない気がします。

あ…なんかこんなこと考えてたら悲しくなってきたのです。

涙が出てくるです………


「…う」


涙が出てきちゃいました。
今文次郎の隣にいるのに、ダメなのです。気づかれちゃったらどうするつもりなんですか。苗字のアホ。バカ。

でも涙が止まらないんです。
とりあえず場所だけでも移動したいのに、足が動かないのです。

どうしよう。


「名前…?ど、どうした…?」


文次郎が声をかけてくれたのです。気づかれちゃったみたいです。
文次郎に心配かけたくないから早く泣き止まなきゃいけないのに、涙が止まらないのです。

と言うか、文次郎がこんなに優しく声をかけてくれたのが久しぶりすぎて、嬉しすぎて、涙がさっきよりももっともっと溢れてくるのです。


「…ひっく、文次郎…」


名前呼んだら涙は止まるかなと思って小さく呟いてみました。
けど、涙が止まるばかりか言葉が止まらなくなっちゃいました。


「文次郎、もんじろ……っひっく、……文次郎は、苗字のこと、嫌いになっちゃったですか……?」

「は…?」

「もんじろ、お付き合い始めてから苗字とお話ししてくれなくなっちゃったです……ひっく…苗字のこと嫌ですか…?」


あああもう、食堂にいるみんながコッチ見てるのです。
でも涙が止まらないのです……

すると、突然文次郎が苗字を抱きしめたのです。そんなこと初めてだったからびっくりしちゃったのです。


「な…なんなのですか…!?」

「すまん」


なんか唐突に謝られたのです。意味わからんのです。
なんなんですかコイツは……。


「今日の文次郎、なんか変なのです」


そう言って、苗字は文次郎に微笑んだのです。



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文次郎は忍術学園一ギンギンに忍者してるって言われるくらいだから付き合ったのも名前が初めてで、どうしたらいいのかわからなくて
なんか無性に緊張して、目も合わせられないし話すのもままならなかった

みたいな設定です。

本編に書きたかったんですが(というかこういうことは本編に書かないと意味ないと思うんですが)書くスペースがなかったのでコッチで言い訳します。ハイ。


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