支援C

レッセ「! あなたは……」


タクト「ん? ……あぁ、君はリタのパーティのレッセだな。確か俺と同じでエルシオン出身の魔法使いだったか」


レッセ「はい……。ええと、タクトさんですよね。よろしくお願いします……」


タクト「ああ、よろしく。エルシオンの卒業生同士、君とは話したいことがたくさんあるんだが……まず聞いても良いか、なんでテーブルの下に隠れているんだ……?」


レッセ「はっ……すみません、つい条件反射で……すぐに慣れると思うので気にしないでください」


タクト「そ、そうか……エルシオンの防災訓練でやっていたのを思い出すな……。地震でもきたのかと思ったぞ」


レッセ「そんなこともありましたね……。避難所が極寒の体育館で地獄のようだったのを覚えています……」


タクト「だが昔は氷点下の寒空の下、校庭に避難していたらしいからな。屋根と壁があるだけマシだぞ……」


レッセ「ええっ、そうだったんですか?!」


タクト「体調を崩す生徒が多すぎて、さすがに避難先が体育館へ変更になったらしいが」


レッセ「当然の結果ですね……。でも、そんな経緯があったなんて知りませんでした」


タクト「俺もエルシオンに入りたての頃、上級生に聞いたんだ。かなり昔のこととはいえ、ずっとそんな訓練をしていたのかと思うと、学院の闇を感じざるを得ない……」


レッセ「学院の闇と言えば、七不思議とかもありましたよね」


タクト「『学院七不思議』か。そうか、レッセの代にも受け継がれていたんだな」


レッセ「はい。やっぱりタクトさんもご存じなんですね。あれ、どう思いますか?」


タクト「そうだな……本当に幽霊がいるとも言われているし、勉強しすぎて疲労困憊のエルシオン生が見た幻覚とも言われているが……」


レッセ「本当にいたんですかね、幽霊」


タクト「さぁ、どうだろう。俺は霊感なんてこれっぽっちもないから、いないのと同じだったな」


タクト「僕も見たことはないですね。サンディが言うには、僕は幽霊の声だけ聞こえる中途半端な人間らしいですけど」


タクト「サンディ? あぁ、ユランが言っていた『謎の乙女(ギャル)』だとかいう妖精の名前か」


レッセ「そういえば、サンディも霊感ないと見えませんよね。幽霊扱いなんてしたら怒られそうですけど……案外、そういう存在って実は身近なところにいたりするかもしれませんね」


タクト「そうかもな。ユランやリタと関わっていると、とても現実とは思えないようなことばかり起こるからな。今更七不思議の幽霊が出てきたところでそこまで驚かないかもしれない」


レッセ「リタやユランだったら、七不思議の幽霊とも友達になれそうですよね」


タクト「同感だ。……ところで、そろそろテーブルの下から出てきたらどうだ?」


レッセ「あともう少し……五分だけ待ってください……」


タクト「レッセ……。朝、布団から出て来ないユランみたいなこと言っているぞ……」


(レッセとタクトの支援レベルがCに上がった!)


―――――
学校なら避難訓練とかもしているのかなと思いまして。避難訓練……懐かしい響きです←

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