天恵物語
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間奏T 04-1

リタの提案で、今二人は場所を移し、宿の物置に来ていた。
とはいえ、そこまでホコリっぽさは無く、散らかってもいない。それはリッカが最近まで荷物を整理していたからと思われる。
窓もあるせいか、適度に光が入ってくるので、あまり物置という感じはしなかった。
窓辺に寄ると、傍に立て掛けてあった箒が倒れそうになり、慌てて元の位置に押し戻す。
窓の外は雨だった。
場所を移したのは、今から話そうとしている話題が現実離れしているからで。


「えーと……何から話せばいいのかな」


帰還した天使界では、いくつか分かったことがあった。
どれから話そうか悩んでいたリタに、アルティナはまず気になっていたことを聞いてみた。


「失くしたとか言ってた、羽根と光輪はどうしたんだ?」


「あー、それなんだけど…………まだ失くしたままなんだよね……」


バツが悪そうに笑うと、リタは戻ってきた経緯から、順々に話し始めた。


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