天恵物語
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第三章 02-1

北東の関所を抜けて、一本道をひたすら進む。すると、一つの町が見えてきた。


「あれが……ベクセリア?」


呪われているというが、外観に変わったところは見受けられなかった。


「ルイーダさんは、あぁ言ってたけど……本当に大丈夫かな……」


「ここまで来たんだから、もう行くっきゃないっしょ! ホラホラ、進もーヨ」


サンディに促され、一歩町に踏み入れた、が。


「あれ……雰囲気が何か、重い?」


「……暗いな」


今は日没直前である。とはいえ、この町の空気はやたらと重々し過ぎた。


「なんだか薄気味悪い町ねー……。まぁでも、ちゃーんと目的の町に着いたコトですし? リタ、とりあえず宿取っておこうヨ。野宿なんてしたくないしさ」


「そうだね。えぇーっと、宿は……」


そうして、リタ達はベクセリアの宿屋で一晩過ごすことにしたのだった。


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