第二章 05-1
「えぇっお断り?! なんで!!」
愕然とするリタに、城の門の前にいた兵士は追い打ちをかけた。
「なんでと言われてもだな……そのようななりで黒騎士を退治しに来たと言うのかね?」
その言葉に、リタはうっと押し黙った。
ちなみにリタの今の格好は……天使が着る服・タイツ・ブーツの三点セットに、古びた剣(使っていたら更にオンボロになってきた)、そして盾は無し。
準備万端とは程遠い装備である。
しかもそこに、少女であるという事実が相乗効果。
当然、兵士から疑いの目を向けられた。
「素性を問わないと言ったがな……」
「そこをなんとか!」
懇願したリタだったが、兵士はなかなか城内へ入れてくれなかった。
一部始終を見ていたサンディは肩をすくめる。
「リタ、何言ってもムダだって。そんな軽装備じゃさぁ……。それに、小柄な女のコが一人で黒騎士退治ってのも、フツーの人なら止めるわヨ」
そう諭すと、リタはがっくりと肩を落とした。
「そんなぁ……」
ガックリとうなだれたリタに兵士だけでなくサンディも戸惑った。
「ま、まぁ仕方ないって! 黒騎士だってまた街に来るかもしんないしさ、とりあえず宿に行こうヨ。そんでもって装備品も買って出直そ……」
そう励まされ、リタはリッカの宿へと足を進めるのだった。
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