天恵物語
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第二章 04-1

宿の扉を覗くとそこは……


「ちょっとルイーダ、何考えてんのよ? この子に宿屋を任せるって……今でさえ危ないのに、あんたここを潰すつもり?」


……修羅場真っ最中だった。


「どうしようサンディ、ものすごく入りづらい」


店の中まで聞こえないくらいの小声でサンディに話しかける。が、話しかけられた相手の方はというと結構その状況を楽しんでいた。


「何この険悪なムード。超ウケるんだけど!!」


どこまでもマイペースなサンディに、リタは溜息をつきたくなった。


「サンディ、リッカに会うのはまた後でにしよう」


「えー、いいじゃん面白そうだし。このまま様子をみてようヨ〜」


「だーめ!!」


むんずとサンディの首根っこを掴み、その場を後にした。


「少しくらいいーじゃん! リタのケチーーっ!!」


街の中、これ以上騒ぐと(自分だけ)変人扱いされるので、そこからサンディの言葉を一切無視したリタだった。


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