第二章 01
「よーし、じゃ入るよ」
リタ達はウォルロ村を出て、今は天の箱舟の前にいた。
(箱舟に乗るなんて初めて……)
多少緊張しながらサンディが開いた扉から中へ入ると……
「うわぁ……」
「これが箱舟の中よ。どう? なかなかイケてんでしょ」
内装は全て金ぴかだった。口が開いたまま閉まらない。しかし、見慣れているサンディは何事も無いように喋り続ける。
「でも出来ることなら、もっとカワイク派手にしたいのよねー。まだちょっと地味じゃない?」
「充分派手だと思うけど……」
この金ぴかの世界にこれ以上何を装飾しようと言うのだろうか。
「……なによー、さっさと出発しろって言うの? 分かったわよ、ええ、やってやりマスよ!! ぶっちゃけアタシも天使界がどうなったのか知りたいっぽいしね!」
誰もそんなことは言ってないのだが……半ばやけくそに言い放ったサンディは、箱舟の運転席にあるボタンを押そうとしていた。
「それじゃ行っくよー。す、す、す、スウィッチ・オンヌッ!!」
「なにそれっ?!」
サンディは思い切りボタンを押すが……箱舟は何の反応も示さなかった――。
(え、うそ……)01(終)
―――――
第二章開幕!
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