君の瞳は何を視る2 | ナノ




※続きものです→前編
※温エロ注意





ガタンガタンと揺れる車の中で、二人の影が揺らめく。ドアに寄りかかる形に背を預け、臨也はシートに横になっていた。ハ、ハ、と荒い息と赤くなる頬。ぐちゅ、と卑猥な水音を奏でる臨也の下部に門田は自身の性器を押し当てた。


「大丈夫か?」
「ぜーんぜん、大丈、夫…。」


激しくして、と臨也が言うも門田はいつだって聞く耳を持たなかった。挿入してからも臨也の息が整うまで待ち続け、嫌だと言えば絶対に行為を中断する。
ある時に、臨也は門田の優しさに苛立ちを覚え門田が達する寸前に嫌だ、止めて欲しいと言った事があった。流石にそんなギリギリの状態のおあずけなど耐えられないだろう、とほくそ笑み門田の反応を待った。ほら、どうするの? 優しいドタチンも無理だよね? だが門田は臨也の笑みにからかわれているのだとわかりながらも行為止めた。そのまま帰り支度を済ませ、帰ってしまったのだ。邪魔したな、と優しい声色で告げて――………。


(俺たちはセフレであって恋人じゃあない。あの優しい目も優しい声も、恋人だから向けているんじゃない。ドタチンがただ優しいだけだ。)


「ひ、ん…ぁあ、ッ!」
「く…ッ…」

奥まで門田の性器が入ってくるのを感じゾクゾクした感覚が背筋に抜ける。窓から微かに見える人影にいけない事をしている背徳感がさらにゾクリと身体を熱くした。きゅ、と後孔を締め付け門田が唸り声を上げる。いつものように息が整うまで待ち続ける門田に、臨也はそっと問いかけた。


「ねえ、ドタチンってさ。女の子とする時もこんなに優しく抱くの?」


中に門田の性器を感じながら臨也は視線を上げると、明らかに驚きの色に染まる表情がそこにあった。


「…なにその表情。」
「…いや。…いつもそんな事を考えてるのか?」
「別に。いつもじゃないよ。ただ、」
「ただ?」


―――…誰にでも優しいドタチンに嫉妬したんだ。
そんな恋人のような事を言える関係で無い事は重々承知していた。臨也は開いた口をそっと閉じる。何でもない。と呟き、続き、しよ? とわざと上目遣いに甘い声を出す。臨也は忘れてしまいたい一心だった。門田に抱いてしまった恋心を。


ぎ、と車が揺れるが門田が律動が始める事は無かった。ドタチン? と臨也が不思議そうに声をかける。真剣な眼差しの門田にドキリと胸が高鳴った。


「なあ、臨也。俺も聞いていいか?」
「な、に?」


「俺は、静雄の代わりか?」


え、と咄嗟に声が洩れる。門田の予想外の言葉に頭を回転させる。情報処理能力は情報屋折原臨也の専売特許だ。ぐるぐると考えて、真っ直ぐに見つめられる瞳に口の中がカラカラに乾いていく。臨也、と囁かれ、身を寄せられる。中にある性器が肉壁を擦り、ひ、と声がでてしまった。


「ちょ、ちょっと待って! シズちゃんなんて名前を聞くだけで腸が煮えくり返りそうだけど、なんで? なんでそんな事を聞くの? こんなのドタチンが俺のこと、好き、みたいに、嫉妬してるみたいに、いや無いだろうけどそんな風に聞こえ、…ちゃうよ…?」


捲し立てるように紡がれただが尻すぼみとなってしまう。弱々しく消えてしまった。門田は何も言わずにただ真っ直ぐに臨也の揺らぐ赤い瞳を見つめる。じわじわと沸き上がる、何か。無いとは思うと削除した可能性が不安定に形どられていく。ドタチン、と小さく呼ぶが掠れてしまう。真剣な眼差しが解かれ、ふ、と息をつく音が聞こえた。



「――…動いて、いいか?」


少し気恥ずかしくも微笑みながら、門田は言う。今までと同じだったはずの言葉が染み込んでいった。ただ行為に及んで終わる関係がぐらり、と揺れる。それが車が揺れたのか、心が揺れたのか。初めてではないキスを唇に落とされ、顔に熱がたまっていくのを臨也は確かに感じていた。


「…うん、いいよ。」


腕で隠して真っ赤になってしまった顔を隠す。恋人みたいだ、と思うたびに身体が熱くなった。


「ふ、ぁ、…ッ、ひあ!」


ぐっ、と奥を突かれ背が弓なりにしなる。掴みずらい車のシートに必死に爪を立て、続けざまに突き上げられる衝撃と快感に耐えた。門田がそっと手をとると、迫る快楽から逃れるように臨也はその手を強く握った。
律動が早まり、ぐちゅぐちゅという音と臨也の抑えた嬌声が車の中に反響した。


「ぁ、ん…ドタ、チン。」
「嫌、か?」
「ふ、ひぅあ! ち、違…ドタチ…!」
「臨也、」
「んんっ…あっ、ん、ハ、…も、イきそっ」


勃ち上がる臨也の性器は限界を主張していた。密室の中で荒いふたつの息が交差する。激しい突き上げに白い喉を晒し仰け反ると悲鳴に近い声を上げて、臨也は精液を吐き出していた。


「は、ふ…は、」
「大丈夫か?」
「あは、大丈夫だって…。やっぱり優しい、ドタチン。…あ、まだイってないじゃん。」
「…いいんだよ。」
「よくなーい。」


抜こうとする門田を止め、首に腕を絡める臨也に門田は少したじろぎながらも口付けを交わす。門田は臨也、と耳元で囁きながら、思い続けた気持ちを伝えた。





「好きだ。」




強く目を瞑り、臨也は抱き締める腕に力を込める。


「俺、愛には貪欲だよ。」


――…もう一回シよっか。
不安定だったものがはっきりと型どられていく。人間愛を語る口がたったひとりの人間の名前を呼び、愛を紡いだ。



君の瞳は何を視る
(愛する君の笑顔を、ずっと)




(20110113)

百鬼夜行さまリクエスト「ドタイザ(ドタ→←イザ?)切ない→ハッピーエンドのセフレ→両思いで、自分はシズちゃんの代わりだと思っているドタチンとドタチンは優しいから自分の傍にいてくれると思っている臨也」でした!

裏要素はあってもなくても構わない、とありましたので温エロですが入れてしまいました、大丈夫でしょうか…!
美味すぎる設定を本当にありがとうございました^///^!
カーセックス的なものを書こうとしたんですが、うまく文章にする事ができなかったのですが…如何だったでしょうか…?

応援のお言葉、ありがとうございました><
遅くなってしまいましたが、感謝の気持ちを込めて!リクエストありがとうございました!
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