耳元の魔術




「ぶぶぶぶぶぶんちゃん!」

「おう、おはよう、とりあえず落ち着け」

「あっ…あのさ!お願いがあるんだけど!」

「ん?なんだよ」





「耳元で、「どう?天才的?」って言ってください。」





「…はい?」




「私ブンちゃんの声大好きでさっ!もーブンちゃんが耳元で囁いてくれたら空も飛べるはず!」

「え…やだ」

「え!なんで!」


「なら俺が囁いてあげるナリ」

「仁王くん!つか抱きつくな!」

「俺の声は嫌いか?」

「いえ、好きです。」

「即答じゃのう…」


「ちょ、待てよ!俺の声が好きなんじゃねーのかよ!」

「なんじゃーブンちゃん、嫉妬かの?」

「ち…ちげーよ!つか好い加減そいつから離れろ!」

「やじゃーい」

「てんめ…」


「まぁ、私はブンちゃん(の声)が一番だけどね?」

「…へ」

「あー、俺やーぎゅに呼ばれとったんじゃったー、さらば(棒読み)」

「あ、仁王くんじゃあねー」




「ってブンちゃん顔真っ赤だよなんだどうした」

「俺の声が、好きなのかよぃ?」

「え、うん」

「ふーん、でも俺は」



耳元の魔術
「俺はお前が好きだけど」
耳元で囁いてやると、こいつは真っ赤になって笑った






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