ゆり様リクエスト
















「みんな今日はありがとうな!」

「「きゃあああああああああ!!」」





今日は、今売れっ子アイドル、来栖翔くんがいるST☆RISHというユニットのライブの日だった。

ファンである私は、ライブ終了後、
あたりはすっかり真っ暗だけど
友達と近くのファミレスでアフターを楽しんでいた。



「あー、もートキヤ様イケメンすぎ!すてき!」

「いやいや、翔くんが1番だよ!」

「秀はほんとに翔くんが好きだねぇ〜」

「だ、だってかっこいいじゃん!」

「どっちかっつーと、可愛い方だと思うけどね」




私は、翔くんファン。
ライブも毎回行ってはいるけど…
他のファンの人たちが怖くて、
なかなかライブでは前の方に行けずに、
会場の後ろの方で、見えるか見えないかぐらいの
翔くんを見ることしかできなかった。





本当は出待ちとか、したかったんだけど…
やっぱりこわいよね…


















ライブや、ST☆RISHについて語りあったあと、
友達は用事があるらしく、
今日は解散になった


「ま、次のライブもまた行こう!」

「うんっ、そうしよっ!」

「じゃあまたね秀!」

「ばいばいっ」








友達と別れたあと、薄暗い夜道をトボトボ歩く。
大通りなのに、なぜか今日は人通りが少なかった。



「ああ、今日も翔くんかっこよかったなぁー…」


なんて、ライブの余韻に浸っていると、






コツ…コツ…コツ……






と、後ろから足音。


気になったから、振り返っても、
そこには誰もいなかった



気のせいか、と歩き出すと、また足音。



怖くなって、私は走りだした。




タッタッタッタッ…



すると、足音も、私をつけるように走り出す。





「…ぃやっ…!」




怖い、助けて




そう思いながら、慣れないヒールでひたすら走る。

けれど、どんどん近づく足音。




もうだめだ、そう思った時、





ドンッ




「ってぇ!!」

「きゃ…っ!」




曲がり角から出てきた人にぶつかって転んでしまった。






「あ、わりぃ!大丈夫か!?」

「はいっ、大丈……え?」





そこで手を差し伸べて来てくれたのは
なんと…翔くんだった。



「え!しょ…く…っ!?ちょ、えぇっ!」

「ちょっ、落ちつけとりあえず!」

「…っあ!」


そういえば、足音は?!





そう思い振り返っても、
やっぱり誰もいなくて、足音も消えていた。


「お前、誰かに追われてんのか?」


そう、近づきながら、訪ねてくる翔くん。

やめてください、そんなに近づかないでください、心臓痛いです、大好きです!

そう心の中の葛藤をおさえつけ、
翔くんに、先程の出来事を話した。






翔くんがそれを聞くと、驚いたような顔をして、それから私の頭を撫でた。


「怖かったろ?よく頑張ったなお前!」


そう言われると、さっきの怖さが涙と一緒に溢れでてきた


「うぅー…っ」

「え!泣くなって!俺が泣かしたみてぇじゃんか!ど、どうした!どっか痛いのか!?」

「…りがと」

「え?」



「ありがとう…っ」


「…っ!///」


「そ、それより翔くんはなんでここに?お仕事とかはないんですか?」

「や、今日は終わった。ちょっとコンビニ行こうとしてたとこ…って、あ!お前今日ライブ来てくれてたよな!」

「え?」

「すんげー後ろの方でさ、うちわ振り回して応援してくれてただろ?入場ん時に見かけた」

「え…でも私そんな目立つことはなにもっ…」

「いや、俺のファンなんだって一目で分かったぜ!うちわ、目立ってた!」


サンキューな!って、弾丸スマイルで
輝いて見える翔くんに、きゅんとなった。





「わ…私!翔くんの大ファンなんです!毎回ライブも行ってます!CDも欠かさず買ってます!大好きです!」

「っえっ!///」





私なにいってんの!大好きですって!
そう思った時にはもう言い終わった後で…
絶対翔くん引いてるよね…と、翔くんを見上げると




「え…」




翔くんは顔をめちゃくちゃ真っ赤にしながら
それを左手で隠していた。



「俺、ファンにそこまで直接言われたの…初めてだわ…///」

「…ふふっ」

「あ!てめー笑ったなこのっ!///」



だって、やっぱり翔くんのこと、大好きですって思ったから。

なんては言えなかったけれど




「よし!今日は俺様がお前を送っていってやる!感謝しろ!」

「えっ」

「また変な奴に襲われたら嫌だろ?」

「でも翔くん…アイドルだからっ…」

「気にすんな!もしスキャンダルとかになっても、問題ねーよ!」

「え?」

「なっなんでもねぇ!さ、行くぜ!///」

「翔くん!私の家こっちです!」





大好きです
「大好きです」って、
いつかは本当の気持ち
伝えたいな




ゆり様リクエストありがとうございました!
ファンからの友達になりーの恋に発展しーのということで、
このような文にしました( ´ ▽ ` )
まぁ、裏話としては、足音はやっぱり変質者で後々翔くんが男気空手で
警察に突き出していたらいいなって思います←
いつも読んでくださっているというお言葉を頂き、嬉しいです!ありがとうございます!
これからもよろしくお願いします!



krsk








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