翔ちゃん中編 | ナノ










「ねー!愁!TV観た!?」

「んぁ?見てない、けど…」




友達によると、どうやら今TVに超人気なアイドルが出ているらしい。


なんだなんだと観てみると
そこに映っていたのは、翔だった。




「聴いてください!コズミックRUNNER!!」



たのしそうに歌うその姿は、
私がみたことのないもので、
あのころの小さかった翔の病気に苦しむ重く苦しいものはなかった。



改めて、大きくなったなと実感した。




そのまま翔を観続けていたら、涙が目に浮かんで来た。


翔はとても遠くにいるんだ。

もう私が対等に話せる存在じゃない。

あの頃とは違う。




私は




翔がすき。







気づいてからは
どきりとした。

今まで恋なんてしなかった。

仕事が忙しいのもあるけど今までそういった人に逢わなかった。



翔がすき。




でも、だめなんだ。





涙が、止まらなかった。







無邪気さに気圧されて
私は想いを知ってしまった。











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