私には、チームにいまだに言ってない事実は二つある。 吸血鬼スペックの話と、「正しい」スタンド能力についてだ。 考えてみろ。普通にスタンドの呼び出しならば、スタンド使いまで名を連ねる必要がない。スタンドとスタンド使いが別物だからだ。こう細かくするのは、私の能力のせいである。 便利だから使役する、スタンド能力のほうが戦うよりも便利な武器としてるからだ。そういうのに行き会わなかったし、タイミングあれば使う。それだけ。 「目の前の飯にナイフや箸があるのに手で食うかって話。」 「何がだ?」 「なんでも?」 元来の能力は、記憶を使う。それだけだ。記憶したスタンド使いのスタンドの能力を動かし使う。それだけだ。 条件は記憶したこと。忘れたら使えないし、間違った名前でも、多少の劣化があれど使える。必要なのは想像力だ。 ふと集中力が切れて考える事をやめた、ホルマジオとリゾットの背中を追いながら、ぼちぼち歩きながら帰るのこり時間、そろそろアラームがなる頃だ。 「ペスカ。」 「ん、なに?」 「…アジトに帰ったら話がある。」 背中を見つめたが、空気が違う。ちょっと気配を気にしたような。ちょっと殺意が混じってる気がする。 「そういえば、プロシュートのがきんちょの頃見たけど、ちょーかわいかったの!なにあの美人!」 「ペスカ、おめぇ。そんなスタンド持ってるのか…」 あぁ。だからプロシュートの声がいつもと違ったのか。とホルマジオが納得した。どれだけのスタンドを知ってるんだよ。と言われたが正確な数なんて、エジプト旅行途中で辞めた記憶がある。岸部さんので見て知ったのまで含めたら数知れず。多い。多すぎて管理できない。 「よく使うのは、あれど。数を数えるのは止めたわ。馬鹿馬鹿しくて。」 歩くスタンド大辞典とでも思ってくれたら楽ね。とぼやいて、太陽を睨む。また点滅する視界に足を止めて、息を吐く。まだ保険として時間外残っているはずなのに。うやうやしげに太陽とにらみ合いをしていたら先行く二人に追いつこうと歩き出す。 皮膚がちりちり痛みを訴えだして煩わしそうに顔をしかめる。。 「大丈夫か?」 「メタリカの後遺症よ。時間外経てば治るわ。」 ふう。と息を吐いてリゾットとホルマジオの間に入る。 そんなタイミングで携帯が鳴る。番号非通知。この番号を知るのはチームか、財団か。片割れに知らせるな。ときつく言ってるので、片割れでないと、知っている。財団から電話なんて珍しい。とか思い携帯を取り出す。 「出ないのか?」 「…出るわ」 ホルマジオやらリゾットを気にせず電話に出たら、予想通りに電話の先は財団員と告げられ譲さん。と言われたので、確実に何かあった。と判断出来た。 「ポルナレフさんとご連絡が取れなくなりました。空条さん…。」 「……っ…また折り返し連絡を入れるわ。」 じゃあね。と手早く切って、何事もなかったかのように一息つけば、何かあったか。なんて隣から声がかかる。なんでもない。と伝えれば言いたくなったら言うといい。とリゾットが言ってくれた。 少し、思い空気の中ペスカが考えたのは、行方不明になった仲間が、イタリアに居るすべての始まりであった。 もしも、仲間が殺されたら。あなた達はどうする? そんな言葉を吐き出せなくて、もどかしさを感じながら、ペスカはただ足元を見つめながらアジトに向かって足をひたすら動かして、ただ仲間の無事を祈るのであった。 「誰もいなくならないでよ。」 目に浮かぶのは腹に穴を開けた男の最後。 前 戻 次 ×
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