ジョ短 | ナノ



ペスカ、その指輪きれいですね。チョーカーもにてますが、あわせているのですか?
昼にちかいアジトは、書類の音と、キーボードを叩く音でいっぱいだった。違う机では、勉強を教えつつナランチャが教えてもらいながら、フーゴがナランチャに耐えきれずブチギレを越えたバカ切れしているが、もうこれは日常になっているで、誰も気にしてない。そんななか、お茶を入れてきた新入り、ジョルノが口を開いた。

「そう、大事な人がくれたんだ。死んじゃったけれどね。」
「素敵なデザインだったので、気になっていたんですが、思い出させたようですね」
「素敵な思い出もそんなになかったんだけど、それもいい思い出よ」

あの灼熱の土地は、いまでもすぐに思い出せるのだから。私の心はその根っこは、もしかするとあの日から動いていないのかもしれない。
そっと右手の薬指にジョルノが視線を落とす。ペスカは知っていますか?指輪をする指にも意味があるんですよ。ほら、左手の薬指は一番心臓に近いから誓いの指とされていたりするじゃないですか。と机の上にお茶をおいて彼は私の向かいに座る。例えば右手の親指は意思力の強さ。人差し指は集中力。中指は金運や厄よけ小指は自己主張や社交性。薬指は知っていますか?
ぐっと近づいてきたので、慌てて身をそらして、距離を図る。が私の手をもとい指輪をなぞり、いい人ですね。と非常に思われているのですね。とクスクス笑ってから、失礼しました。といいつつ離れる。暗殺チームでいい男たちに揉まれてきたが、年下系というのはこれはこれで来る。いや、あいつらが濃すぎるんだけれどさ。うん。なんか、この例えようもない計算のような何かを感じつつ自分の手を手元に引き寄せる。

「僕の口からはこんなこと言えません。ですが、酷く思われてますね。意味はどうぞ、自分で探してみてください。」

ペスカは情報屋ですから、すぐに見つかるでしょうね。と微笑んでジョルノは意味ありげな笑みをして、席をたった。問い詰める気分にもならなくて、私は私でその指を見つめて、この指輪をもらったあの瞬間を思い出しながら、その指の意味を調べてみるのだった。

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