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奏太奏太。と隅の柱に身を隠して奏太の名を呼ぶと奏太はすぐにこっちに気づいた。唇に指を当てて静かに。のジェスチャーをして大きな部屋の真ん中で騒いでる一年に視線を送る。奏太もわかったのか、一つ頷いて俺の方によってくる。どうでした?と聞かれる辺り、ある程度奏太はわかっているらしい、とりあえず、の連絡に熱ありそうと薬飲ませて寝かせてくるというと、わかりましたよ。と頷いてくれて連絡終わり。なりとちあきはにてますからねー。なんて奏太が言うがそんなつもりは俺はない。俺が千秋に似てたら俺は今青のネクタイなんかしてないってのに。とりあえず子どもは任せるぞ。と念を押して俺は柱からこっそり離れて飲み物の収穫を初める。
手近な店員にお願いしして、コーヒー紅茶にコーンスープとココアを手に入れた俺はそっとドアをノックする。千秋のあいてる。と声を聞いて俺は軽くドアを開けてから足でドアを軽く蹴る。両手一杯に飲み物持ってるんだから無理だっての。こら、足。と怒られたがそんな俺は気にすることなく、ひなたくんにどれがいい?と飲み物を一通り見せる。

「ありがとうございます!コーンスープください。」
「はいよ、千秋」
「サンキュー」

机を挟んだソファーに二人並んでるので俺は反対側に、二人に向かい合う形で腰を下ろす、なんで二人ならんでんだ?と思いつつ、俺は余ってたココアを手に取る。飯食い足りてないんだってば。

「身に染みますね。やっぱり冬は身も心もあったまるコーンスープで決まりだね」
「あはは、CMの宣伝文句みたいだな」
「っていうか、出てなかった?鉄虎とか大神とかと。」

あれ、けっこう話題になっていたな。ゆうたくんがクリスマスプレゼントにお仕事ちょうだいってお願いしたんですよ。【イブイブライブ】ではあんずさんもそうですけど、『流星隊』の皆さんにもお世話になりましたよね。今回もまたお世話になっちゃって。とうつ向くので、気にすんな。ちびの面倒は上が見るだけだし、その分将来後輩にそうしてやれ。で、体調は悪い?薬飲むか?話が軌道をそれそうだったので、話をもどす。あぁ、うん。そうでした。と思い出したように、ちょっと具合が悪いです。と正直にいう。

「あ、でも、別に無理して体調を崩した訳じゃありませんよ?たぶん、布団から飛び出して寝てたのが原因です。昨日重ね布団してたんですけど、明け方近くに暑くなっちゃんったんでしょうね。」

風邪を引くわけにはいかないって気を使ったのが、完全に裏目に出ちゃいましたよ。と軽い口調でいうが、本番はもうすぐでどうしようと俺は頭を捻る。けっこううまく隠せてる自信はあったんだけどなぁ?ゆうたくんは気づくかもって注意してたけど一之瀬先輩も守沢先輩も意外と人のことをよく見てるんですね。ってひなたくんがいうので、俺はちょっと面白くて笑う。

「どうしました?」
「いや、なんでもないよ。なぁ、隊長殿。」
「そうだな。うん」

ちょっと片言ぎみなのが俺のツボに刺さる。笑いを噛みしめってたら、守沢にすねを蹴られた。いたいって。
まぁ、思い過ごしかと思ってったんだがな、聞いてみて良かった。と千秋がいうので、すかさずよくねえよ。と俺が付け加える。体調がよくないならライブは出ない方がいいかもしれないけど、ひなたはどうしたい?と俺は本人に確認を取って聞いてみる。どうせこの夢ノ咲の子たちはライブ馬鹿も多い。子どもの夢を叶えない先輩なんて糞食らえ。とか思ってる派閥なので、俺は本人の意思だから、言ったことの責任は守れよ。ビジネスの世界なんだからな。と釘も差しておく。

「楽しみにしてたのもあるけど、その……みんなに迷惑かけたくないし」
「ライブに出るかどうかはおいといて、このことはみんなにもちゃんと説明しておくべきだと思うぞ。」
「フォローははいりやすくなるけど、そうしたいかはひなたくん次第だし。」

俺も一人で頑張ろうとして周りに特に有に迷惑をかけてしまったことがある。頼れる仲間がいるのに、俺のわがままに巻き込むわけにはいかないと、無理して倒れてしまったんだ。ちゃんと相談するべきだった。と今でも公開しているし二度と同じ過ちを繰り返したくなとも思っている。一人で頑張る必要はない、仲間がいるんだ。『助けて』って声を上げれば必ず助けてくれる。有みたいにな。そっと。俺の方を見てニヤニヤ笑う。おいこら、俺の話はいいんだよ。ほっとけ。ぎろっと睨んで俺は千秋の膝を蹴る。ぐっと息を飲む声を聞いて、ちょっとすっきり。しばらく悩んだ顔してひなたくんが一つ頷いて口を開いた。

「わかりました。俺、みんなにきちんと説明します。隠して無茶はしませんありがとございます先輩方。」

あたま頭下げんな。終わってから言ってくれ。お前が笑ってライブを終わらせてから、聞くよ……な、千秋?。そうだな。そうしようか、そっち任せるぞ。おっけー。なんて、簡単に適当に決めて俺は全員を一ヶ所に集める行動を開始しだした。




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