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夜飯の買い出しを行いつつ、俺は乙狩と布団を並べる。布団は六つ。乙狩が四つ、俺が二つ分を持って、練習場に持っていく。俺は夜飯何食べたい?買い出し行くけど。と言うと肉。と言われたので、焼肉丼でもするか、と思う。返礼祭は俺も卒業なのはもうちょっとしたらがきんちょに言うんだけど。どうやって切り出そう、って俺はずっと頭で計算する。うーん。いや急すぎるのも悪いしなぁ、でも【返礼祭】から、がきんちょにはメインで動いてほしいしなぁ、このライブ終わったら言うか、と思考をしていると、一之瀬は、と言われて視線を乙狩に向ける。

「どうした?」
「帰りたかったのか?」
「まぁ、帰りたかったけれど、いいよ。こうして学生生活も最後だし。返礼祭前の最後じゃねえかな、泊まり込みなんて」
「最後?」

俺、学校やめて大学進学するの。8月ぐらいに高卒資格だけはとってるし、大学は合格してるし、あとは千秋に言って一緒に飛び出すとは言ってるの。だから、今この生活が最後。2Aで終わりなんだ。と乙狩に伝えると、乙狩は多少悩むように目線を上げた。そんなに悩まなくていいよ、もともと俺は単位さえ足りなかっただけだから、うち後輩に話すほど恥ずかしい理由で空中分解してるからねぇ、そこに迷惑かけてるのは事実だし、恩返し兼ねて家とやりたいことを踏まえると千秋と一緒にいるのがいいだろうっていう俺の判断。

「お前らとライブやるのが楽しみだけど、普通に学生生活最後っていうのやっぱ淋しいな」
「一之瀬は、どうしてそうはやくに卒業する?」
「んーまぁ、ねぇ。大学行くってぬぎちゃんにも言ってるしねぇー。」

俺の持ちゆる限りをすべてはうちの子に渡してるしー。来年も頑張れよ乙狩。と言葉をかけると、乙狩は、そういうところを見ると先輩だと思うと言われて、なんだよーと俺はあっけらかんと笑う。らしく見えねえだろ。-と言うと、俺は解らないと考えていう。たぶん布団を持ってなかったら俺は乙狩の背中を叩いていたのだろう。

「いいよお前の中での俺の評価なんて、まぁ、いつかおんなじステージで立った時に教えてくれよ。」
「わかった、約束しよう。」
「ん。いい返事。」

急ごうぜ。と急かして戻れば、ザキさんの分も持って来て!と言われて二人で、おいー先に携帯に連絡入れろとか言いながら神崎のぶんの布団も取りに乙狩と明星と行く。一人分だけで俺が行こうかっていうと、あっくんはどっかに消えそうだから俺とオッちゃんと一緒!と俺は引きずられながら布団を取りに行く。
明星に飛びつかれて、布団を落としかけるので、乙狩に持ってもらってそのまま帰りにつく。返礼祭終わったら三年生だってーと言うのを聞きながら、俺はへえへえと流しながらお前らなんか3年になってもしっかりしなさそうだな。と大神衣更鳴上伏見の気苦労を考えつつ、ここに氷鷹を入れるか悩みながら、んー次世代三毛縞とかどうなったんだろうな、と取り留めながらもあっくんは俺の隣ね!お前寝相悪そう、ベットとかだと落ちてない?となんでわかったの!?とラリーを繰り返す。遊木をつれてくるんだったと後悔しつつ、ふーと息をつく。

「あれ?あっくんおつかれ?」
「おっさんにはつらいの。俺さっさと寝るよ。煩くするなよ?」
「えートランプやろうよ!トランプ」
「頭ゆすんな、明星ぃ。乙狩助けて」

布団で両手ふさがっている乙狩に助けを頼むのはやめるべきなんだろうけど、一日こんなことされてちゃあ困る。神崎こいつ叩ききってくれないかなと思いつつ、鉄虎が二年だったらこうなってんのかな、んー大学入学を決めてしまっているのに、これありか?とここには居ない1年生を心配してしまう。のはこれは親心なのだろうか?複雑だなぁ、と思いつつ明星が飽きるまで俺は揺さぶられ終わるのを待った。なかなか終わらないので、氷鷹にハリセンでしばいてもらって俺はさっさと誕生日席で寝る。

「あっくん、あっくん、大富豪しよ!」
「8流し、階段、都落ち、救急車、4止めに7渡しんでから、砂嵐と大革命有りな」
「なにそれ!?そんなルール知らない!8止めと都落ちしかしらない!」
「じゃあやらないよ。お休み」
「クーデターは入らないのかイ?」
「夏目はやる気か!?」
「エンペラーも入れよう」
「皇帝はいるネ」

ほんと逆先、皇帝って嫌いだよね。と俺は笑っておく。その隙にさっさと寝るお休み5秒。あぁっ!?と明星の声を聴きながら俺は寝る。さっさと意識を閉ざす。いいよ、もう賑やかでも寝れるのが俺の特技。ほっとけ。ギャンギャン騒いでも俺は寝るんだぞ、寝るぞ。寝てるんだ!おい、乙狩俺の足を踏むな、逆先俺の足にひっかかるな。明星起こすな!
一瞬寝てた気がする。そばしばしと叩かれて、目を覚ました。なに、俺10時間寝てないと持たないんだけど。起きろ##name_3##と言われて、眉間に皺を入れながら目を開くと乙狩が居た。ん?と思いながら、あぁ、明星のおねだりでとまったんだった。と理解した。着替えて来い、その間に布団を片付けておく。と言われたので。俺はそのまま部屋の隅に置いた鞄から着替えを取り出す。

「おい、一之瀬、あんずの見ている前で着替えようとするな」
「ん?」

上半身を脱いで、氷鷹に言われて疑問符をつけながら顔を上げると、諸々の作業をしていたあんずがいた。人数分のお茶を持って、こっちを見ていた。そして沈黙、俺が「きゃあ!」と声を上げ近くのタオルで俺の胸板を隠す。おい、逆だろ。と氷鷹に言われて、俺は冷静になる。そうだわ。俺じゃねえや。慌てて背中を向けて着替えて、あんずにごめんな寝ぼけてた。なんて伝えると、大丈夫大丈夫。って言われるが、まってお前女の子俺男。あんだーすたん?とやり取りを交える。一之瀬くんって、たまに抜けてるよね。と遊木に笑われた。食堂で待ち合わせね!と言ってあんずは食堂に消えてった。きゃあだって、と明星にいじられながら俺は後でプロレス技かけようと心に決める。それかあいつにこんど千秋をぶつける。




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