20190228誕生日記念





登良くんが誕生日だったので。
登良と斑さんには「嫌なことは数えても減らない」で始まり、「そう思い知らされた」で終わる物語を書いて欲しいです。できれば12ツイート(1680字)以上でお願いします。
#書き出しと終わり
こちらからお題を借りました。ありがとうございます

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嫌なことは数えても減らない。嫌なことの主な内容はすべて兄に関連するようなものではあるし、それは嫌よりも嫌いの方が幅占めてることではないか?と自覚した。
2月28日は登良にとって気持ちがとても落ちる日であった。誕生日、生まれてきてありがとうやら、感謝をする日とされてる日であるが、登良の兄斑が、日頃よりも何倍ものテンションで登良を構い倒すから、比例グラフのように登良の胃が痛くなるのだった。
それゆえに、例年登良は無意識に朝から散々だと思うことが多いのだが、今年はいつもと違う。兄が仕事だからと家にいないのだ。毎年目覚まし時計と同時に斑が隣の部屋から飛び込んで着て一悶着起こすのだがそれがなかった。それだけで、幸せ過ぎて朝から鉄虎にゆるキャラを見つけた翠のようだと言われたが、もう周りに好きに言わせておく。胃が痛まない問題に直面しないのが、嬉しいのだ。ウキウキしながら、夜ご飯のことを思い浮かべる今晩は好物だと言ってたのを思い出して、ひそかに登良のテンションが上がる。確か今日はレッスンも部活もない日だから、ゆっくりできるしこれから何をしよう?そんなことを考えていると、教室に光が登良めがけて飛び込んできた。

「登良ちゃん!パン買いに購買にいこ!」
「光?放課後だよ?」
「それでも!ほらダッシュ、ダッシュだぜ!」

登良の手を掴んで光は一気に駆け出した。いきなり過ぎて引きずられるように足を動かすが体制も崩れているので縺れるのを何とかする前に購買にたどり着いたが、この時間帯は品揃えがあまりよくないのを思い出したのか光はあぁ!と思い出したように声を上げたことで、ふとそういうことかと理解した。きっと、『誕生日』だから祝われるのだろうと察してしまった。

「登良ちゃん!今日の限定焼きそばパンが会議室で販売だったんだ!」
「光。わかったよ。」

とりあえず歩いていかない?走ったから飲み物もほしいし?
とりあえずクラスに居てた面々も集まるために全力疾走したあとに会うのは申し訳なさを感じてしまうので、とりあえずちょこちょこしたお菓子や自分の分の飲み物だけを確保して、光と二人他愛ない話をしながら会議室に向かっていると忍が向こうから現れた。

「登良くん!大変でござる、あっちで登良くんのお兄さんがあばれてるでござるよ!」
「え?」
「とにかく大変でござるぅ!」

忍の慌てようで、なんかやらかしたな?と思ってしまうのは日頃のあれがお行儀よく悪さをするからだ。昔から付き合わされていたからこそその狂暴性は計り知れない。ああいう誕生日のお祝いは転校生の先輩が腕を振るっていたはずだ。二人を思い浮かべるだけで咲きほどまでのウキウキがどこかに飛んでった。

「わかったよ。とりあえず会議室?」
「そ、そうでござるよ!登良くん!」

荷物あとから持ってきて。と光に渡して登良は廊下を一気に駆ける。速度が早すぎてスタミナの消費が半端ないけど、それでも転校生の先輩になにか迷惑をかけてる気がするので登良は真っ直ぐ走って角を曲がる。最後の角を曲がって扉を蹴り破る勢いで開くと同時に視界がカラフルな紙紐と軽いような破裂音で覆われた。音に驚いて情けない声がこぼれ落ちた瞬間聞きたくなかった声を聴覚が捉えた。

「歓天喜地!!登良くん!!お誕生日おめでとう!」

大きく腕を開いて登良を抱きしめようとする兄の姿がちらりと見えた刹那、本能的な直感ともいえる判断で登良はそれめがけて鋭い突きを一つめり込ませる。

「登良くん……いいパンチだ…」
「埋めますか。」
「おい、テメェの兄だろ。殺すな」

どうせこの兄の事なのだからすぐにケロリと立ち上がるだろうと判断して「兄なんて似てないですし、まぁ仕事だから来ないとも聞いてますから。大丈夫ですよ大将」と実の兄ですらいないといい聞かれる胆力も胆力なのだが、この兄嫌いはどこまでも酷いのだが、とりあえず登良を怒らせてはいけないと周りはそう思い知らされた。





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