俺と跳進!夜明けを告げる維新ライブ 4 





「つむぎくん、明日から俺蓮巳のところに泊まり込み合宿やるみたいだから、しばらくよろしく。」
「ゆらぎくんもですか?俺もですよ。」
「はっ!?」
「『Trickstar』の子がどうしても出られないから、って明星くんに青い先輩お願い!って言われましたよ。」

俺もいつ言おうかっておもってたんですけど、ゆらぎくんも一緒なら心強いですね。とつむぎくん、が言ってくれたが、なんだって!?って感じだよ。枕もなにもかも準備したし、お風呂ゆっくりできるとか思ってたのに、残念だ。ま、つむぎくんがいるとご飯どれぐらい食べた。とかバレてしんどいんだよな。
ちょっとげんなりしたのは昨日だが、もう俺も心が折れかけてる。っていうか、折れてる。まじで。現在進行形。つむぎくんと集合場所にいったら、明星と氷鷹、天祥院がいるんだから、俺も驚き。三毛縞と鬼龍がライブ会場を下見にいってるらしいので、俺たち5人で蓮巳の寺に向かうけど、寺までの階段で俺の心と足がポッキリ折れてる。明星たちは嬉しそうにかけ上っていったのを見送ったが、もう無理。最近リハビリサボってたから膝が痛くて仕方ない。

「あーくそ。」
「ゆらぎくん、口が悪いですよ。ほら、あと一息ですから。」
「あとで、冷やさないと動けそうにない。」
「俺よりも天祥院見といて。つむぎくん。」

あれは死にそうな息してるし、あいつ吐きそうだから面倒みてやって。と俺から無理矢理はがして、かろうじて俺は俺のペースで石段を昇る。俺が登りきると、明星が俺を指差した。息もしたくねえ。返事もする体力すらない。っていうか、足が痛すぎる。こんなことなら、三毛縞についていけばよかった。図面くれるっていうから、いかなかったけど。本気でいけばよかったと後悔してるし、元気になっている天祥院はバリアフリーという概念をー。なんて言っている。全くもって俺も賛成だ。とか思うが、痛すぎて返事するのも億劫で、登りきったタイミングで痛み止を飲んでおく。しばらくしたら動けるだろう。もうちょっとほっといてくれ。と俺はちょっと離れたところで、足の筋を伸ばすように、筋だけを近くの木を借りる。

「達成感と負荷から生じる脳内麻薬の分泌を、昔の人々は宗教的恍惚感と混同して神仏を幻視したのかな?専門家の意見が聞きたいな、つむぎもゆらぎもどう思う?」

宗教系を俺に振るな。俺はそんなもん信じねえからな。つむぎくんだけに聞いてくれ。そしてつむぎくんも真面目に考えるな。神様だって足元掬ってくれるんだから、考えるだけ無駄。そう、無駄。

「それよりも、荷物、先に部屋に運び込んじゃって大丈夫ですかね?」
「そうしろ、……ずいぶん荷物が多いな青葉、泊まり込みとは言えほんの数日間だぞ?」
「んー俺も説得したけど、譲歩してこれだから…」

逆にお前は荷物がすくなすぎる。と言われたが、つむぎくんとバランスとった結果だよ。貴重品と枕に替えの肌着と靴下しかもって来てないんだもん。それと携帯充電器。ほんとそれぐらい。つむぎくんは湿布とか裁縫道具とか頭痛薬いれてるけど、さすがにドライヤーは置いてきてもらったけど。蓮巳も、貸せるし、着の身着のままで来てもとかいってるレベルなので、はい、つむぎくんの心配性ですね。知ってる。

「そうですね〜、ふふ、でも、お泊まり会みたいな感じで浮き浮きします。」
「って、言ってあんまり寝てないから、最悪落とす。」
「落とすって物騒ですよ〜、一応合同練習ってことですし、呑気に楽しんだら駄目なんでしょうけど。」

そんなやり取りを横目に蓮巳の家を見ると、でっけーって改めて思う。緑もおおいし、砂利道もあれど、きっちり手入れのされてる寺だ。俺の昔居たところもこんな感じだったらよかったんだけどねぇ。まぁ終わった話だから何でも良いんだけど。へーと声を漏らして、まわりをぼんやりみてると、参拝客もちらほらいる様子で、遠巻きにちょっと怪しい目でみられてるな。とか考える。数日間の躍りの練習と、本番がちょっと待ち遠しい。

「さっさと荷物を運んで着替えてこい、そのあと一旦本堂に集合しろ、今後の予定などについてはなししたい。本堂の場所は英智が知っているな?」
「ゆらぎくん、移動しますよ〜。」

はいはい。と返事をして、荷物を置いてから蓮巳の指定した本堂に入る。先ほど痛み止を飲んだりしたので、先程よりかはましになった。たまにピーンって筋がはるので人より遅めに動くことになったが、本堂に俺がたどり着く頃には、なんか話が進んでた。あとで弟に聞け、と言われたので、まぁ俺は適当に返事をしておく。話が終わればさぁレッスンの始まりだ。俺のワクワクタイムが始まる。そわそわしすぎて蓮巳に怒られるのだから理不尽。ちぇっ。今回は久々の和風曲なので、俺もうきうきワクワクが止まってない。和風だって民族楽曲なので俺の得意分野。今回は武士や新撰組が主体なので小道具として刀が入る。レッスンの振り付け中に、殺陣をやりたいとか明星が言い出して、配役なぁ。と考える。新撰組を主体とするなら、『紅月』が新撰組に座る。歴史的な側面を考えると、対立がいる。さてどうする。と考え出したら、時間が来た。今日のレッスンも終わりだ。俺は明日以後のために残る予定にしていたが、明星たちに引っ張られて、みんなでDVDを見て配役を決めよう。と騒ぎだした。…一方の俺は踊ってたい気持ちで一杯だったので、みんながにぎやかになってるのを部屋の隅を陣取って、脳内で躍り倒しておくのだった。配役?適当に決めてくれ。知らん、まとまったら考え直すから。っていうか、つむぎくんやっぱり持ってきすぎだって。



[*前] | Back | [次#]




×