俺とリフレクション!ミラーライブ 1 






「ゆらぎくん。仕事の依頼?が入ってますよー!」

そうやってつむぎくんが教室に飛び込んできた。俺は休み時間だったこともあってうとうとしていたので、寝耳に水というか。驚いて飛び起きた。隣の斎宮がうるさいと怒鳴ったが、お前の方が可燃時間長い分煩いぞ。と心で野次る。

「で、つむぎくん。企画書頂戴?」
「あぁそうでしたね。転校生のあの子からこういうのゆらぎくんに似合いそうですね!って言って貰ったものなんですけど」

差し出されたのはペラ一枚のポスターの縮小コピーしたもの。企画の名前は「お揃いさんミラーライブ!」と書かれていた。一通り概要をさらうとこうだ。お揃いさんのライブパフォーマンス優勝決定戦。
町中のポスターを見ては知っていたが、揃いの時点で二人必要なのでもうこの時点で『Diana』では出れない。お揃いの時点で俺は一人で出れないのだ。

「…参加資格似ている二人以上って書いてるんだけど。」
「ですから。俺が出ますよ。」
「お前『Switch』は?」
「あぁ夏目くんから許可を取ってます。」

もらってます。じゃねえよ。軽くつむぎくんの腹を殴る。もう!と怒るのだがとりあえず話をするために俺の前に腰を掛けた。ニコニコ笑いながら『Diana』の活動もしばらくしてなかったのもあるので、久しぶりにどうですか?なんて言う。そのままチラシをもっと深くまで見ていると、俺はそこで気が付いた。

「あいつら?」
「そうなんです。ゆらぎくんの昔のメンバーも出てるみたいで。」
「へぇ。あいつら活動してたんだ。」
「『Diana』と違う名前で出るみたいですね。同じようにまた神話の神の名前を使うなんて。並びがいいですねぇ。確か兄弟神でしたっけ?」

そのまま目線を下げて経歴を見つめると、俺の経歴を全部語ってそして『俺』を省いて彼らは『apollo』と名乗っていた。面白い戯言を並べて曝している。一通り彼らのメッセージを受け取った俺は、へぇ。とこぼしながら。これは挑戦状なのかと考えてしまう。『Diana』に対しての『apollo』これは完全にそうだろうと思考してしまうのは、多分あいつらが卒業前に送られたあの一言俺をとらえて離さない。

「つむぎくん、夏目から許可もらったっていってっけど。いいの?」
「それでゆらぎくんが踊れるなら。」
「生半可なことで脱落してくれんなよ。旧『fine』のリーダーさんや。」
「俺はそんなにしっかりしてないリーダーですよ。」
「んじゃ。青葉ダンススクール卒業生。がっかりさせてくれんなよ。」
「そっちのほうが責任を感じますね。」
「感じさせるように言ってる。」

手厳しい。と言われたけどいいんです。俺は出ると決めたし、手続きやらで奔走してから振りと楽曲を決めるからつむぎくんやりたい曲があるなら言ってほしい。と伝えたらわかりました!でも授業は出てくださいね。なんて言われた。はい。授業受けるけど内職は許されるよな。斎宮にとても睨まれたけど。




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