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ランダムで選ばれた二人とうちの子一人の小話。ゆらぎ編


薫とレオ。

先程の打ち合わせで、月永が俺にまとわりついて離れない。正面のつむぎくん背後の月永。間に挟まれた俺はつむぎくんに見捨てられた。悲しい。月永がまとわりついて俺が歩けない、月永離れろよ!とアイドルの顔面に掌底気味に攻撃をしつつひっぺがすようにしているのだが、この月永接着剤がついてるのかというぐらいに離れない。今晩、俺の弟が怖いの。やだよ。

「あっれー?三毛縞くんももりっちもつけないで、どうしたの?」
「羽風、こいつひっぺがすの助けて。次の打ち合わせいけなくて困ってんの。」
「なんでもこなす一閥様でも苦手なことあるんだね。俺は男なんてさわりたくないからやらないよ。」
「おばくん!離さない!霊感が飛んでく!」
「人の話を聞け!月永!」

羽風はげろげろ〜なんて言いながら表情を歪ませるのだが、俺は切羽詰まってるし、晩の家庭内環境が険悪すぎて明日のおにぎりが好物のじゃこおかかちーずじゃなくなるのが嫌なので羽風を頼る。男のためなんかやらないよ。と言うから、俺は渋々月永を羽風にすり付けるように身を振るか、月永は霊感がーとずっとうめいている。ので俺は諦めて月永を腕で剥がしたのだがあのちっこいのにどこにそんな力があるのかというぐらい離れなくて俺は泣きながら月永に離れてくれと土下座した。最終的に月永は飽きて俺の腕の中でも寝た。自由人過ぎるし、最終的におれとつむぎくんの仲を引き裂いたのであった。




英智と茨。

学院の資料やら手伝ってと言われたので、俺は天下の生徒会長殿の依頼のもと、あれやこれやとやっていると、廊下で端末を見ている七種がいた。

「おや、一閥卿。」
「七種、畏まらなくていいっての。」
「いえいえ、若輩者ですから、経歴の長い方を敬っております。」
「っていって、まぁなんか良からぬ事企んでうちの弟巻き込んだらただじゃおかねえからな。」

そんな器用な事をやりませんよ。といてのけるが、俺は以前のこともあって信用はしていない。さて、この場をどうやって切り抜けるかとあぐねていると、俺を探しに来たという天祥院がやってきた。お前仕事抜け出しただろ、蓮巳が胃を痛めるぞ。と思うが、それを聞いてくれるほど、この学院の皇帝は笑いとばすだろう。そういう事を考えると、頭痛がする。

「どうしたんだい、ゆらぎ。体調がよくない?」
「このハブとマングースの図って前に見覚えがあっただけ。」
「ハブとマングース。それは我々がハブということでよろしいですか?」
「いや、ぼくらがハブだよ。」

……どっちがハブでもマングースでもいいです。いいから、レッスンに戻れお前今ワンダーゲーム中だろ。俺も人の事言えないけどさ。天祥院お前も帰れよ。蓮巳が怒鳴る図が見えた。っていうか、もう解散してくれ。お前ら引き合うと面倒だから。という心の声とは全く違う方向に走り出そうとしているので全力で軌道を変えるのであった。




つむぎと敬人。

「ゆらぎくーん。いますかー?」
「いませーん。おかえりくださーい。」
「そうなんですね〜わかりました」
「青葉、お前の目は正気か?」

目の前にいるぞ。そう指摘した蓮巳は、俺に嘘を吐くなとげんこつを落とす。痛くて半泣きになりながら、蓮巳を睨むか蓮巳はふんと鼻をならして無視された。ひどい。ゆらぎくん、とつむぎの声。…これは、たぶん、無視に対してちょっと怒っている感じの声色だな。って思うと同時に、お昼御飯たべましたよね?と聞かれた。……俺がいつも飯を食ってないみたいな言い方やめてくれ。って声に出すと、蓮巳がじゃあいつ食べたんだ?と聞かれたので、考えて思い出す。えっとー最後に食べたのは、じゃこチーズのおにぎりだったはずだから、そう呟きつつこぼしていると、それ卿の朝ですよ。といわれた……時計をみると4時。…つまり昼飯を食い損ねてる。

「ゆらぎくん?」
「はい。」
「食堂行きましょうか?」

有無を言わさないので、せめてのもの緩衝材として蓮巳を犠牲に俺たちは食堂に向かったが、くどくど文句をいう蓮巳と俺が食べるのをめちゃくちゃ見ているつむぎくんに挟まれて食べるご飯の味なんて覚えれるわけがない。



薫と陣

佐賀美ちゃんと足の具合について話していると、さぼり目的の羽風がやってきた。俺と佐賀美ちゃんの顔を交互に二度ほどみてから、首を捻った。

「あれー?青葉くん?」
「あー何羽風?」
「保健室って珍しくない?怪我した?」
「昔ね。膝やらかしてるから、定期的に佐賀美ちゃんに見てもらってんの。」
「杖だもんね。」
「移動に困ったら、羽風肩かして?」

そう俺が言うとげっ。って言う顔した。見逃さないぞ?とか思うけど、まぁ大体守沢が真面目だからいっか。と羽風のことを切り捨てた。そういうのほうが、らしいし。

「まー羽風に真面目を求めるのが間違ってるよなー」
「そうそう。わかってるじゃん。」
「でも、転校生には嫌われるだろうなー」

そう俺が釘を刺すと、ぐぎりと羽風は動かなくなった。俺たちのやり取りを見て、佐賀美ちゃんがケラケラ笑っていた。俺たちのやり取りが面白いのだろう。ニヤニヤしながら俺たちをどう冷やかすか様子見ている。「なー佐賀美ちゃんもそう思うだろ?」なんて促したら、佐賀美ちゃんも頷いている。ほらな。としたり顔でいたので、羽風は色々と逡巡してから最低限しか手伝わないからね!ってめちゃくちゃ念を押された。その光景が面白くて、俺と佐賀美ちゃんでゲラゲラ笑ったので、二人して拳骨を喰らった。




紅朗と司。

青葉、今日の採寸。ブッキングしてしまったんだけど、いいか?と言われて、俺は快諾した。夢ノ咲の生徒とは大体うまくやっていける自信は、レッスンのあれやそれであるし、相手は誰だろうとか思ってると、武道場にノックの音がひびく。

「入ります。」
「鬼龍の言ってたのって朱桜かよ。瀬名とかだとやべーな。って思ってたけど、安心したわ。」
「私は、ブッキング先が青葉先輩だと聞いてたので、安心してましたけれども」

俺のビビってたのがばれたのか、朱桜がクスクス笑う。採寸はじめっぞ。と鬼龍の声がしたので、俺も朱桜も背筋が伸びた。俺は膝の関係もあってまだ座ってるけど、身長とかもわかっちゃうわけだから背筋伸びちゃうよなぁ。

「青葉、こっち持て」
「はいよ。手伝うよ。」

ここあわせろ。と言われたところで、固定したりしてる間暇なのでしゃべってろ。と投げられた。そうですよねー。っていうことで遠慮なく鬼龍も混ぜるような話題を選んだら、俺を巻き込むなと小突かれた。しゃーない。朱桜と話でもするか。と話をしたのだが、これ今度は俺の番になった時、また鬼龍を巻き込んだら、膝のあれやらあれされた。おい、お前人体を何だと思っている。逆関節向けんな。朱桜助けて!


なつめとなずな

月一回のリーダー会議で、資料のホッチキス止めの作業担当は俺と仁兎と俺だった。仁兎が資料を持ってくると言ってくれたので、俺はホッチキスを準備して待機してるのだが、なかなか来ない。まさか二人で喧嘩したとかサボったとか……俺の考えすぎか。深いため息をついていると、お待たせ〜なんて呑気な声を出して仁兎が入ってきた。

「おせーよ。」
「ごめんな、ゆらぎちん。コピー機混んでてさ。」
「そっか、夏目は?」
「もうすぐ来るぞ。」

そっか、ほら寄越せ。と仁兎が俺の前に資料の束を奥ので、俺は嬉々として書類の山を崩しだすと、ゆらぎちん手が早いな。と感想をもらう。まぁ、書類なんて思考停止の作業だしな。あれやこれやと話をしていたら、開始前なのに夏目がやってきた。

「どうしたんだ?」
「ゆらぎにいさんがホッチキスを探してるって聞いたから、持ってきたけど、いるノ?。」
「まじ?」

夏目手伝って。と声をかけると、もう一人担当がいるんだからそっちに手伝ってもらったら?という。働きたくないというのは、当然だよな。夏目からホッチキスを借りて、仁兎に山の4分の1を渡したら、夏目が平等じゃないと声を上げるが。仁兎にはここに書類を持ってきてもらっているし、俺の方が確実に得意なので、そういうことだ。

「適材適所だっての。それに、仁兎がやってる間に、俺は全部片付けれる自信があるから渡してる。」
「ゆらぎちんが言うと本当になりそうだよな。」
「ま、好きにすれバ?」

そうさせていただきます。はい。






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