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事務処理を終えて、教室にはいると天祥院と目があって手を振られた。疑問に思う間もなく、声を投げられた。

「ゆらぎ。」
「ん?なに?天祥院。」
「さっき、転校生ちゃんが探してたよ。」
「あいつが?」

あいうになにか頼み事なんてしてたかなぁ。なんて記憶をひっくり返すように漁っていると、図書室に行くって言ってたよ。だとか、足された。いや、探すこと前提かよ。いいけど。時間を確認するとまだまだ余裕はある。いってくるか、と杖を抱え直して教室を出る。心当たりはないし連絡をいれてくるのかとも思っていたが、そんな兆しもない。珍しいやつ。と思いつつも廊下を歩く。昼休み終わる少しまえなので、行き交う人も少ない。急いだスピードも出せない俺は、だらだらのんびりした足取りで図書室に向かうとつむぎくんの笑い声と転校生の声が聞こえた。

「はいるぞー。」
「ゆらぎ先輩こんにちは!お待ちしてました!」
「はい?」

図書室にはいると、祝ゆらぎ先輩とつむぎ先輩の始めて会った日!と紙でつくられた横断幕があった。いや、あいつら何してるのさ。俺はあっけにとられてると二人は嬉しそうにクラッカーをならして、空中に薄い紙テープの束が舞う。いやいや、理解がまったく追い付かない。

「今日、ゆらぎくんと俺が始めて会った日なんですよ!」
「怖いわ。」

結構ガチめのトーンで言ってしまった。驚いたようなつむぎくんは俺のトーンなんてお構い無しで、楽しそうに転校生と手を取り合うようにはしゃいでいる。……いや、俺の考えすぎなのか?とも一瞬そう考えてしまったけれども、お構いなしに二人は俺を招くように俺のまえにやってきて手を引く。

「で、なにこれ?」
「え?ゆらぎくんと俺がはじめて会った日の事を記念してのお祝いです。」
「俺を探してたって聞いたから来たんだけど。」
「天祥院先輩にも一枚かんでもらいました」

しかも、あれだろ。始めて在った日ってつむぎくんが俺の舞台を見に来たときだろうに。俺が覚えてるはずもないし、覚えてるつむぎくんがこわいわ!俺の弟がサイコパス染みてて怖い。マジ怖いわ。俺の弟。
とか思ってもつむぎくんが笑顔だからいいんですけどー。




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